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『名探偵のままでいて』あらすじとネタバレ感想【このミステリーがすごい!大賞】

みなさんこんにちは!

年間100冊本を読む、読書家のマイスナフキンライフの管理人・だいちです!

今日は小西マサテルさんのデビュー作『名探偵のままでいて』を紹介します!

読んでみたいけど、買う前に内容知りたいな・・・

気になるけど、実際面白いの?

こんなことを考えている方に向けた内容になっています

この記事を読めば、小西マサテルさんの『名探偵のままでいて』をきっと読みたくなるはずです!

この作品は『このミステリーがすごい!』大賞を受賞した作品で、本作品が小西マサテルさんのデビュー作になります。

今回紹介する『名探偵のままでいて』という作品は、認知症の祖父と孫の掛け合いから展開される連作短編集で、祖父が孫の話を聞くだけで事件を解決していく姿が見どころです。

それでは詳しい中身を紹介していきます!

今回紹介する作品

著:小西マサテル
¥1,386 (2023/03/11 10:39時点 | Amazon調べ)
目次

『名探偵のままでいて』

まずはあらすじから紹介していきます

あらすじ

昔小学生の校長をやっていた祖父

すごく切れ物の祖父も、今は幻視や記憶障害といった症状の現れるレビー小体型認知症を患い、介護生活を送っていた

そんな祖父であったが、小学校教師をしている孫娘の楓が身の回りの謎を話すと、生き生きと元気な姿を取り戻すのである

大好きなゴロワーズのタバコを吸いながら謎を解決していく祖父
そして、ミステリー好きな孫娘の楓
二人の会話から展開するあったかいミステリー作品

認知症の祖父

登場人物である祖父は元小学校の校長で、切れ者の自慢の祖父でした。

しかし71歳になった現在、認知症を患い、介護生活を余儀なくされています。

特に、祖父の認知症はレビー小体型認知症と言われ、大きな特徴は『幻視』です。
本来あるはずのないものがはっきりと見えるのです

そして祖父の場合は、幻視としてみているものが、現実のものではなく、病気が原因で見えているということを認識しているのです。

今見えているものが偽物だ、ということがわかっているんです・・・

実際こういう患者さんはいるらしく、毎朝目覚めるたびに見える幻視を楽しみにしている人もいるそうです

物語の構成

物語は連作短編集です。
一つ一つの物語は短いですが、それぞれに登場する人物が繋がっていて、最後には綺麗にまとまる作品になっています。

物語の流れは、孫娘である楓が身の回りで様々な謎に出くわします。

同僚の友人が殺人事件に巻き込まれたり、小学校の美人教師がプールの授業中突然姿を消したり、楓自身もストーカー被害に遭ったりします。

そんな様々な事件を、楓は祖父に聞かせるのです。
すると、普段は認知症の祖父の頭は冴え渡り、タバコを片手にその謎を解決していくのです。

1章『居酒屋の”密室”』

全6章になっています。
本記事ではその中の一章『居酒屋の”密室”』を紹介します。

孫娘の楓は小学校教師をしています。

ある日、同僚の岩田先生から祖父がお気に入りだった居酒屋で、殺人事件が起きたことを知らされます。
そして、その居酒屋で起きた事件に、岩田の友人である四季と言う男が巻き込まれたというのです。

この話をした岩田は、かねてより楓がミステリ好きであることを知っていて、楓をご飯に誘いました。

楓、岩田、四季の3人でご飯に行くことになり、そこで事件の概要を聞かされます。

以下が事件の概要です

事件が発覚したのは午後10時頃、その時間に四季は劇団員の仲間とお酒を飲んでいました。
店内はワールドカップで盛り上がっており、サッカーに興味がない四季は静かに過ごしていました。

サッカーの熱が落ち着き始めた午後10時頃、トイレに行っていた仲間に「トイレ空いてる?」と、声をかけ、仲間からは「ーーああ、どうぞ。空いてるよ。」を言われ、トイレに向かいました。

すると、トイレは中から鍵が閉められており、ノックをしても返事がありませんでした。
気になった四季がトイレの扉を上り、中を覗き込むと、そこには背中にナイフの刺された状態の男が倒れていたのです。

このことをお店の女将に伝えると、女将は茫然自失、すぐに警察が来ることになりました。

そこでお店にいた客からは様々な証言が出てきます。
「9時半から10時頃まで誰もトイレを使っています」「10時頃に最初にトイレを使ったのは、劇団の仲間だけだ」

一番怪しいのは四季の劇団の仲間
さらに、その仲間は事情聴取に対して『黙秘します』と答えるのです

明らかにこの劇団の仲間が怪しいですよね?

しかし、四季曰く、この仲間は人殺しなんてできるような人じゃないと言うのです。
では、誰が殺したのか。そして、殺された人物は何者なのか。

この事件を祖父に話すと、祖父はゴロワーズのタバコを片手に謎を解決してしまうのです。

物語の展開が気になる人は実際に読んでみてください!

この話以外にもたくさんの奇妙な謎が繰り広げられますよ!

著:小西マサテル
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感想

古典ミステリーのオマージュ的作品

今作の大きな特徴は古典ミステリーのオマージュ的作品であることです。

孫娘の楓と、劇団員の四季はミステリーマニアで、特に楓は祖父の影響で海外のミステリーが大好きです。

今回起きる謎も海外のミステリーから得られたアイデアで構成されていて、ミステリー好きにはたまらない作品だと思います。

また、楓と四季のミステリー好き同士の掛け合いも見どころの一つです。

登場人物が魅力的

今作は登場人物がみんな魅力的です。

祖父や楓はもちろん、途中から登場する岩田先生や四季は物語のラストまでいい味を出しながら、関わっていきます。

岩田先生はもともと楓のことが気になっていて、後から出会った四季と楓がいい雰囲気になるのも見どころです。

岩田先生と楓、四季の3人の掛け合いは読んでいて、心がほっとするような心地があります。

温かいミステリー

今作がどんな作品かを一言で表すなら、『温かいミステリー』といった感じです。

殺人事件が起きたり、ストーカー事件が起きたりと、深刻な事件が起きることもありますが、登場人物の掛け合いを読んでいると温かい気持ちになれるミステリーです。

特に、祖父と楓の二人で中で繰り広げられる事件の解決シーンは一番の見どころです。

まとめ

小西マサテルさんのデビュー作『名探偵のままでいて』

著:小西マサテル
¥1,386 (2023/02/04 19:10時点 | Amazon調べ)

温かいミステリーで、ミステリーでありながら殺伐としていない雰囲気が心地いい作品でした。

みなさんも興味があれば、ぜひ読んでみてください!

最後まで読んで頂きありがとうございました!

過去の『このミステリーがすごい!大賞』が気になる方は、下の記事からご覧ください!

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