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【このミステリーがすごい!大賞】『特許やぶり女王』あらすじと感想

みなさんこんにちは!
今回は南原詠さんのデビュー作『特許やぶりの女王 弁理士・大鳳未来』を紹介していきます。

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この作品は2022年度第20回『このミステリーがすごい!』大賞の大賞を受賞しており、発売2週間で5万部突破の大ヒット作品です。

作者自身が弁理士の資格を持っており、さらには元エンジニアとのことでかなり作中の真相などなかなり凝った作品になっています。

”特許権”という、普通の人はあまり馴染みのないものに関してもわかりやすく書かれていて、最後までどうなるのかハラハラさせる作品でした!

ではあらすじと感想、そして今回は特許権という馴染みないキーワードに関して解説をしながら書いていこうと思います。

目次

あらすじ

特許権をタテに企業から巨額の賠償金をせしめていた凄腕の女性弁理士・大鳳未来が、「特許侵害を警告された企業を守る」ことを専門とする特許法律事務所を立ち上げた。
今作では大人気VTuberである天ノ川トリィが使っている映像技術が特許権侵害をだとしてある企業に警告受けた。
この影響で天ノ川トリィは活動停止を迫られ、所属する事務所は大鳳未来に助けを求めた。
天ノ川トリィの才能を守るために未来は調査を開始するが、この事件の裏には様々な企業の思惑が関わっていたーーー。
未来はこの警告の無実を証明し、天ノ川トリィを守ことができるのかーー。

キーワード

今作は現役の弁理士が書いた作品で、作中に特許権などの、馴染みのない人にとっては難しい言葉が出てきます。
内容紹介の前に、押さえておくべきキーワードを作中の言葉を使っていくつか紹介していきます!

特許権

まずは、今作で一番大事な特許権とはそもそも何なのか。

特許権とは新しい技術を創ったら、それを独占できる権利
中身を公開することを条件に、国からから貰えるもの

世の中の技術進歩に貢献したご褒美のようなものです

では、特許権を持っている人どんなことができるんでしょうか

特許権を持っている人は、特許を持ってない人の、作る、売る、使うを中止することができます。
また損害賠償も請求できます。

この、作る、売る、使うを中止することを差止請求といいます
この差止請求が、今作の事件が起きたきっかけになる部分です

専用実施権

ライセンスの一種で、特許を持っている人からの事業許可証

例えば、どこかのブランド企業から依頼を受けてバッグとか服を製造しても違反とは言われないですよね。これは委託された企業が裏でライセンス契約をしているからなんです。

今作ではこの下請け企業が特許権侵害の警告をしたのが始まりです。

クレームチャート

特許権の侵害があることを立証する書類のこと

これがないと特許権の侵害だといっても、証拠がないのでただの言いがかりになってしまいます。

パテント・トロール

自分では事業する気のない商品を製造したり、販売したりするつもりがない)製品の特許を取得して、他の企業に特許侵害だと訴えを起こし、損害賠償などのお金を請求する組織

今作の主人公である大鳳未来は元パテント・トロールで、この経験を元にして特許法律事務所を設立しました。

パテント・トロールというのは実在しています。
1990年頃に日本でもゲーム会社の「任天堂」と「セガ」がアメリカ人のジャン:コイルという人に特許の侵害として訴えられたことがあったそうです。
結果的に「任天堂」は多少の和解金で解決しましたが、「セガ」は57億円もの賠償金を払うことになったそうです。

特許権は国に認められた大きな力を持つ権利です。
今作はこの特許権の仕組みと、この権利の裏で暗躍する様々な企業の思惑が絡んだ探偵小説のような感じです。

内容紹介

弁理士・大鳳未来

女性弁理士・大鳳未来は「特許侵害を警告された企業を守る」ことを専門とする特許法律事務所を立ち上げました。
未来は元パテント・トロールとして業界内で有名で、特許権をタテに企業から巨額の賠償金をせしめており、半年で百億円を稼ぐほどでした。

そんな未来はパートナーである弁護士の姚愁林とともにミスルトウ法律事務所をを立ち上げます。
この事務所はメンバーが二人のみで、どんな依頼も12時間以内に行動するというなかなか無茶苦茶なやり方の事務所である。

しかしどんな手段でもクライアントの問題を解決する凄腕集団です。

今作の舞台

今作では大人気VTuberである天ノ川トリィが使っている映像技術が特許権侵害をだとしてある企業に警告受けるところから物語が始まります。

天ノ川トリィは他のVTuberの中でも一戦を画するほどの人気で、特に映像技術がすごく高ことで有名です。表情や動きがリアルで実際にその場で生きて人間が動いているかのようなリアルさなのです。

今回はこの技術力の高さに対して、特許権の侵害だと警告をされたのです。

しかし、トリィの撮影機材はネットのフリマで購入されたもので、購入先の詳しい情報がわからない。
また、警告を起こした企業は測量機器のメーカーでVTuberとは縁がなさそうな企業ーー。

そもそもトリィの使っている撮影機材の企業は架空の会社で機材の出どころが全くわからないのです。

そんな中で未来は企業と特許権との関係性、撮影機材の技術力、VTuberと企業との関係を調査していきますが、この裏では様々な企業が繋がり暗躍していたのですーーー

まとめ

この物語は”特許権”という普段馴染みのない人にとったら難しいと感じるテーマをわかりやすく解説されていて、知識がない人でも楽しんで読める作品でした!

正直ミステリーというよりは探偵小説という感じで、事件に巻き込まれた企業を専門知識を使って助け、企業を助けるといったストーリでした。

未来の豪快なキャラクターで、この不利な状況をどうやって打開していくのかハラハラしながら読めるのであっという間に読めてしまう作品です。

シンプルにミステリーが好きな人や、今までと違うミステリーを読んでみたいという人にはオススメの作品です。

興味があればぜひ読んでみてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!

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