みなさんこんにちは！
今回は住野よるさんの『腹を割ったら血が出るだけさ』を紹介します！
まず本屋さんでみたら表紙の綺麗さにびっくりすると思います！
しかし内容は重い部分も多く、しっかりと心に刺さる作品でした
ザ・純文学作品というような作品です
それでは紹介していきます！
あらすじ
あらすじ
高校生の茜寧（あかね）は、友達や恋人に囲まれ充実した日々を送っている。
しかしそれは、「愛されたい」という感情に縛られ、偽りの自分を演じ続けるという苦しい毎日だった。
ある日、茜寧は愛読する小説の登場人物、〈あい〉にそっくりな人と街で出逢い、そこから茜寧の人生は大きく変わっていくーー
ありのままの姿で生きたい青年や、自分のストーリーを大事にするアイドルなど
いろんな生き方をもった人物に出会っていくーー
いくつもの人生が交差して響き合う、極上の青春群像劇。
『愛されたい』という感情
今作の主人公は高校生の茜寧（あかね）
茜寧はただ『愛されたい』という感情に支配されていました
この愛されたいは恋とか友情とは違う、ただの欲でした
さらにこの『愛されたい』は家族や友人、街の知らない人にさえも求めていて、とにかく人に嫌われないような姿勢をしてきました
茜寧のこの姿勢は頭で考えながら自然にしているもので、茜寧の美少女としての容姿も相まって茜寧は彼氏や友人に恵まれた幸せそうな毎日を過ごしていました。
みなさんも人前でカッコつけたり、自分を良いように見せようとしたことはありませんか？
しかし、茜寧はそんな自分が心の底から嫌いだったのです。
それでも茜寧は囚われたように『愛されたい』という欲のままに自分を演じ続けるのです。
『少女のマーチ』
そんな茜寧はある日一冊の本に出会います。
その本の名前は『少女のマーチ』
作中では映画化も予定されていて、世間的にも人気の作品です
茜寧はその作品に対して、他人には理解してもらえない”自分”をわかってくれる作品だと感じます
茜寧にとって生きるバイブルのようなものになったのです
そんな『少女のマーチ』とともに生き、自分のことが嫌いな日常を送っていた茜寧が一人の人物に出会います。
逢という存在
ある日茜寧は街の中で、『少女のマーチ』に出てくる”あい”という人物にそっくりな人に出会います
その人物は女性的な服装をしている男性・逢（あい）という人物でした
茜寧は思わず声をかけてしまい、心の中で叫ぶほどに感動したのです
そこから茜寧の中で、自分を主人公とした『少女のマーチ』を再現していくような人生を歩んでいくのです。
物語の展開
物語は、茜寧が逢とともに『少女のマーチ』を自身の解釈でなぞらえていくように進んでいきます
そんな中他の登場人物として、茜寧のことを本気で理解しようとしてくれる親友や、自分のストーリーを作り続けるアイドル、他人の失敗を探し続ける幼馴染などがいます。
特にアイドルの樹里亜は茜寧と似たような生き方で、アイドルとしての自分のストーリーを作っていて、本心で好きなものではなくファンが求めているものを演じてアイドルをしていました。
そんな樹里亜と茜寧は物語の中で交わり、クライマックスで大きな展開を迎えますーー。
ここまでが大まかな流れになります！
感想と考察
冒頭にも言ったように、ザ・純文学作品というような作品でした
自分を演じる
茜寧は作中でとにかくみんなに”愛される”ために自分を演じています。
これはどんな人にも共感できる感情だと思います。
誰しもきっと自分中に違う自分がいると思います。
学校での自分。職場での自分。家族の中での自分。どれが本当の自分でしょうか。
茜寧はどの場であっても『愛されたい』という欲のために自分を演じて、本当の自分は誰にも見せてきませんでした。
実際それで一見幸せな人生を歩んでいけていたのです。
茜寧の最後の選択
みんなに愛されたいと思っている茜寧
しかし、茜寧自身そんな八方美人のような自分が嫌で、『少女のマーチ』の中に自分を重ね、救いを求めていたのです。
そんな人生の中で偶然であった逢という存在
茜寧の中では生きにくい人生を救ってくれる神様のように思えたと思います。
しかし逢の生き方は茜寧とは違い、自分のありのままに生きることを信念をしていました。
そのため少しづつ茜寧の理想と離れていくのです。
その結果茜寧はラストにこの生きにくい現実を終われせようとするのですーーー。
タイトルの意味
おそらく『腹を割ったら血が出るだけさ』というタイトルは、どれだけいろんな自分を作っても結局は全て同じ自分だという意味があるんじゃないかと思いました
腹を割ったら別の自分が出てくるんじゃなくて、血が出るだけ
同じ自分なんだからしんどくても認め合って生きていこうをいう意味があるんじゃないかと思っています。
感想
かなり衝撃的な作品で、深く心に刺されました
自分の中に作り上げた世界を生きる感覚は僕自身も共感できましたし、ここまで心を抉るように描かれている作品は素晴らしいと思います。
正直、登場人物の心情が細かくて読みにくさはありましたが、それ故に深い作品でした
もし興味があればみなさんもぜひ読んでみてください！
まとめ
いかがでしたでしょうか！
住野よるさんの『腹を割ったら血が出るだけさ』
読むのに苦労する人は多いと思いますが、読む価値のある素晴らしい作品です！
みなさんもぜひ実際に読んでみてください！
最後まで読んでいただきありがとうございました！
コメント