どんな人の心も魅了する圧倒的な美貌とダンスの才能
そんな唯一無二の存在にみなさんも心奪われると思います!
今回は呉勝浩さんの『Q』のあらすじと感想を紹介していきます!
呉勝浩さんの直近3作品全て直木賞にノミネートされており、前作の『爆弾』2023年のミステリーランキングを席巻した今大注目の作家さんです。
今回紹介する『Q』は、ダンスの天賦の才がある一人の少年を守ことに人生を捧げ、消せない罪を犯した義理の姉妹の物語です。
600ページ越えの大ボリュームで描かれ、きれいごと無しの熱量の高い作品です。
読み切るのに時間はかかりますが、読了後の爽快感は他では味わえない作品になっています!
それではあらすじから紹介していきます。
『Q』をおすすめする人
- 読み応えのある重厚な作品を読みたい人
- エンタメ作品が好きな人
- 感情を揺さぶられる作品を読みたい人
作者紹介
今回紹介する『Q』の作者である呉勝浩さんは、1981年生まれの在日韓国人作家です。
2015年に『道徳の時間』で作家デビュー
その後、様々作品を発表し、『おれたちの歌をうたえ』で直木賞を受賞しています。
そして、前作の『爆弾』ではその年の直木賞候補に選ばれ、2023年のミステリーランキングを2冠しています。
これまで様々な事件小説を発表してきましたが、今回の『Q』はこれまでの作品とは一味違います。
”Q”と呼ばれる圧倒的才能を持つ少年の物語
そんな”Q”の周りで動く黒い影、そして”Q”のことを想う血の繋がらない二人の姉
エンターテインメント小説でありながら、ミステリー小説と純愛小説の要素もある作品です。
『Q』以外にも呉勝浩さんのオススメ作品は『爆弾』です!
気になる方はぜひ別の投稿ものぞいてみてください!
『Q』物語の内容
あらすじ
千葉県富津市の清掃会社に勤める町谷亜八(ハチ)は、過去に傷害事件を起こし執行猶予中の身だった。
ようやく手に入れた「まっとうな暮らし」からはみ出さぬよう生きているが、唯一の愉しみは祖父の遺したアウディでアクアラインを走ることだった。
ある日、血の繋がらない姉・ロクから数年ぶりに連絡が入る。
二人の弟、キュウを脅す人物が現れたというのだ。
キュウにはダンスの天賦の才があった。彼の未来を守るため、ハチとロクは、かつてある罪を犯していた
折しも、華々しいデビューを飾り、キュウは一気に注目を集め始めたところである。
事件が明るみに出ればスキャンダルは避けられない。弟のため、ハチは平穏な日々から一歩を踏み出す。
一方、キュウをプロデュースする百瀬は、その才能に惚れ込み、コロナ禍に閉塞する人々を変えるカリスマとして彼を売り出しはじめた。
日本だけでなく世界でも注目を集め始めるキュウのプロデュースを進めていく中で、キュウの元に一件の殺害予告が届くーー
物語の内容
物語の始まりは一人の女性から始まります
その女性の名前は町谷亜八(ハチ)
清掃会社に勤めていて、男性的な見た目をした女性です
そんなハチは過去に傷害事件を起こしていて、執行猶予中の身
そんな中で何とか働き口を見つけ、少しでも平穏な日常を送ろうを静かなに暮らしていました。
そんなハチには血の繋がらない姉と弟がいました
兄弟との過去
ハチの父親には3人の妻がいて、それぞれの妻をくっついては離れそれぞれの妻から子供を引き取り、結果的にハチには姉と弟がいました
姉の名前は睦深(ロク)
弟の名前は侑九(キュウ)
一時期3人は一緒に暮らしていましたが、結局離れ離れになりハチは二人と距離を取りしばらく一人で静かに暮らしていました
天賦の才を持つキュウ
こんな複雑な家族関係の中、末っ子のキュウはダンスの天賦の才を持っていました
キュウが小学6年生の頃地元のダンス大会で入賞し、その後別の大会で結果を残したキュウは正式に芸能事務所に所属することになったのです。
キュウの魅力はダンスのセンスももちろんのこと、道ゆく人が振り返るほどの美貌でした
一目見ると心奪われるその姿にどんな人の虜になってしまうのです。
キュウに近寄る怪しい人物
そんなキュウやロクと距離をとって暮らしていたハチの元に数年ぶりにロクから連絡が入ります。
「キュウのことで話がある」
数年ぶりに会ったロクから聞いた話によると、キュウの元に怪しげな広告代理店に勤める百瀬という男が近づいてるようだった
百瀬はとてつもない大金持ちでどれだけのお金、どんな手を使ってでもキュウを手元に置きたいと考えているようだった。
そのためにキュウの過去について調べ上げ、遠回しにキュウを脅すような方法で懐柔しようとしていたのです。
ただ、どうしてロクとハチはキュウの過去がバレることを嫌がったのか・・・
実は、キュウの母親はキュウが幼い頃に若い男と駆け落ちし、行方不明になっていたのです。
このことがバレると世間のイメージは良くないですよね。
だから、ロクとハチはキュウの過去を暴こうとする百瀬の存在は不安だったんです。
キュウの才能が恐ろしい
今作の見どころは”Q”を取り巻くアウトローに近い存在です。
このアウトロー的な存在の中心人物が百瀬
この百瀬のキャラがとにかく強烈!
この百瀬がとてつもないお金持ちで、キュウの才能に惚れ込みキュウを有名にさせるためにすごい金の使い方をします
しかも、かなり考え方が狂っていて、哲学的というか宗教的というか世界的にキュウの存在を知らしめるためにぶっ飛んだ行動に出ます。
そして、実際にキュウは日本だけではなく世界的に影響力を持つ存在になっていきます。
クライマックスはキュウの圧倒的なパフォーマンスに心奪われること間違いなしです!
『Q』感想
ここからは、実際に『Q』を読んだ感想を紹介していきます
とにかく感情を揺さぶられる作品
600ページを超える作中で本当にさまざまな感情を揺さぶられました!
キュウを思っての姉妹が犯した罪にグロさを感じつつ、ロクの壮絶ないじめに心が締め付けられ、キュウを想うロクとハチの思いに深い愛情を感じる
そして、キュウをプロデュースする百瀬の気が狂った行動に困惑して、クライマックスはQのダンスに心を奪われながら様々な人間の思惑にハラハラします。
読み応えが凄まじい作品でした!
キュウに対する二人の姉の愛情
キュウには血の繋がらない二人の姉がいます。
この二人のキュウに対する愛情は方向性が違えど、とにかく深い!
ロクは一見冷たい人間に見えるけど、人生の全てを捧げるられるほどキュウのことを愛している
キュウのために利用価値のある男性と結婚し、常にそばでキュウのことをサポートします
ハチはキュウの心が落ち着ける存在として、心の拠り所としてサポートしていきます
この二人の愛情が泣けるんです・・・
読むのに覚悟が必要な作品
ここまで『Q』のいいところを紹介してきたけど、やっぱり600ページ越えは長かった・・・笑
がっつり読んだと思ってもまだ半分か・・と思ってしまうほどのボリュームで正直読むのには覚悟がいると思います。
ただ、この興奮はこの作品でしか味わえないのも事実だと思います!
我こそは!という方にはぜひ読んでほしいと思います!
読んで後悔はしない作品ですよ!
みんなの感想
SNSに上げられていたレビューもいくつか紹介します!
まとめ
今回は呉勝浩さんの『Q』のあらすじと感想を紹介しました
600ページ越えの大ボリュームで読み始めるの覚悟のいる作品ですが、読んだ後の満足感は他では味わえないと思います。
きれいごと無しで描かれるドロドロな展開と、その現実から解放してくれるような圧倒的なキュウの存在
全てを魅了するキュウのパフォーマンスにきっと虜になると思います!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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