みなさんこんにちは!
今回は梨さんの『かわいそ笑』を紹介します!
作品のタイトルからはどんな作品なのか想像もつかないと思いますが、一言で表すと『ネット怪談小説』です
・作者の梨とはどんな人なのか
・『かわいそ笑』のあらすじ
・『かわいそ笑』の考察、感想
・記事のまとめ
謎の人物の体験談、掲示板のQRコード、匿名のメールデータや出典不明の心霊写真など、本当にありそうなネタが描かれていて、実際に自分が体験しているかのような感覚になる作品です。
しかも、本のカバー裏にはある仕掛けがあるらしい・・・
テレビ番組の『本当にあった怖い話』みたいな感じです!
それでは紹介していきます!
『かわいそ笑』の作者『梨』ってどんな人?
『かわいそ笑』の作者『梨』とは
まず作者の『梨』はどんな人なのか紹介していきます!
『梨』は現在インターネットを中心に活躍している怪談小説家です。
本作以外にもネット上に様々な作品を発表していて、Webサイト「オモコロ」にも記事を投稿しています
オモコロに作品を発表している『雨穴』さんの作品はこちら
作風
冒頭にも少しお話しましたが、『梨』は様々な怪談小説を発表しています。
その作風は日常に潜む怪異や民間伝承などを取り入れているのが特徴です。
また、「読者も対岸の火事ではない」と表現したい思いから、実際の文献を引用したり、作品の登場人物のSNSアカウントを実際に作成したり、と読者が実際に体験しているかのような感覚になれる作品たちです。
怖さや気味の悪さは圧倒的です・・
『かわいそ笑』あらすじ
それでは本作『かわいそ笑』の中身について紹介していきます。
あらすじ
「死んだ人のことはちゃんと可哀想にしてあげなきゃ駄目でしょう。」
一度読んだら引き返せない、怪異が侵食する恐怖のネット怪談。
インターネット上に伝わる多くの怪談。
その中に何故か特定の「あの子」が被害にあう奇妙な怪談が出回っていた。
とある掲示板のQRコード、インタビューの書き起こし、出典不明な心霊写真、匿名のメールデータ。
筆者がこれまでに収集した情報をもとに怪談を読み解く、読者参加型のホラーモキュメンタリー。
一見バラバラに見える情報から、浮かび上がってくる「ネット怪談の裏側の物語」とは。
物語の流れ
作品は全5章になっていて、最初のまえがきに作品の流れが紹介されています。
この作品は筆者が今までに収集してきたネットになる怪談話をもとにして、それを一冊にまとめた形になっています。
そしてここで集めてきた怪談話には出典場所まで明記されていて、実際にあった怖い話です。
第1章『これは横次鈴という人が体験した怪談です・docx』
第1章ではある人物が体験した話を筆者(梨)に語る形式になっています。
ここで話しているある人物は『横次鈴』ではない
四十代前半くらいの女性です
この人物は昔ある奇妙な体験をしました。
彼女は昔ネット上である作品の二次創作を作ったり、自分が作ったキャラクターを使って質問コーナーをしたりと個人サイトを持って活動していました。
そんな時ある一人の女性とネット上で仲良くなりました。
りんと仲良くなった彼女は、他にもいたネット上の共通の友達と1冊の同人誌を作ろうという話が持ち上がりました。
この同人誌の即売会で実際に会った二人は、その後りんの家に遊びに行くことになります。
りんの家に上がった彼女は部屋のあるプリンターに一枚の白い紙が挟まっているのが気になりました。
りんは何も面白いものじゃないと言うので、気になって見ようと紙を手に取った瞬間
どん!と二人しかいない家の寝室から大きな音が聞こえました。
りんは大して気にしていない様子ですが、その後も寝室から家具がひきづられる音が聞こえたり、明らかにおかしいんです。
さらにこの紙には気味の悪い写真が描かれていました
画像のように人の顔が引き伸ばされていて、右下から左下に向かって名前が書かれていました。
実際の作品にはモザイクがかかった写真が貼られています。
この画像は簡単にしていますが、実際はめちゃくちゃ不気味です。。。
その後もりんはこの紙はお札のようなもので、ある儀式であると言ったりと話が合わない様子
不気味に思った彼女は適当に言葉を合わせ、この日は帰りますが、その後もりんとの付き合いはしばらく続きました。
しかし、この付き合いも次第に薄くなり今となっては全く繋がりはありません。
ここまで話した彼女はさらに最近気味の悪いものを見たと言います。
それはりんの家で見た紙を街中で見たというのです
さらに最近見た紙には昔見た写真ではなくりんの写真が使われていたのです
彼女がいうには、りんが昔やっていた儀式は不完全で中途半端にやったからこと何か変なものに呪われたんじゃないかと
そして街中に自分の顔を使ったお札をばらまかれてしまったんじゃないかと
ここまで話した彼女は話していた場から立ち去りました
ここまでが1章の内容です
物語の流れ
第1章の内容を紹介しましたが、意味わからないですよね?笑
僕も最初読んだ時は気味が悪いけど意味がわからんとなりました。
物語はこのような気味の悪い話が残り4章描かれます。
そして最後まで読むと全ての物語は『横次鈴』を呪うという一つの目的のために描かれていたということが読み取れるのです。
それぞれの物語は気味の悪さが特徴的で、さらに自分が実際に体験してるんじゃないかと思えるほどリアルに描かれたいます。
他の物語はネタバレになりすぎるのでここでは話しませんが気になる方は実際に読んでみてください!
『かわいそ笑』考察と感想
それではこの作品を読んで自分なりの考察を感想を交えてお話していきます。
作品の目的
この作品の目的は横次鈴を効率的に呪うために著者の梨に書かせることです
作品を通してとにかくある女性を深く憎んでいることが読み取れます。
そのある女性というのが『横次鈴』なのです。
そしてこの横次鈴を憎んでとにかく強く呪いたいと思っている人物が第1章で梨に話をしていた40代前半の女性なのです。
呪う方法
作中で効率的に人を呪う方法がいくつか書かれています。
その中には『右下から左下に呪いの対象者を配置し、認識させる』『呪いの効果を持つ画像を貼り付けて、写真を撮らせる』『この呪いに出会った人は呪いの媒介者となり、呪いを増幅させる』など、いくつかの方法が書かれています。
横次鈴を呪う理由
最後に梨に話をしていた女性が横次鈴を選んだ理由を語ります。
それは、、、『ムカついたから』
理由がやばいですよね。。。
こういう呪いのようなものは最初は面白半分で始まるものなのです。
そして誰が最初に始めたかわからなくなって、被害者が増えていくのです。
感想
『本当にあった怖い話』のような作品で、実際に自分が恐怖体験をしているかのような感覚になりました。
作品の中に本当にネットに繋がるQRコードが貼られていたり、写真もリアルですごい作品です。
ここまでゾクゾクする小説は初めてで、気味が悪いながらも読む手が止まりませんでした。
読む人を選ぶ作品ですが、リアルな恐怖体験をしたい方にオススメの作品です。
まとめ
今回がホラー小説家梨さんの『かわいそ笑』を紹介しました。
タイトルからは内容がイメージできない作品だと思いますが、リアルなネット怪談小説です。
興味のある方は実際に読んでみてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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