みなさんこんにちは！
今回は今村昌弘さんの『でぃすぺる』のあらすじと感想を紹介していきます！
今村昌弘といえば『屍人荘の殺人』が有名な作家さんで、読み応えのあるミステリーを世に生み出しています。
そんな今村昌弘の作品で今回紹介するのは、ミステリーとオカルトが融合した作品『でぃすぺる』です。
小学6年生の主人公たちが町に伝わる七不思議から、ある1人の女性の殺人事件の真相に迫っていくワクワクする作品になっています。
まずはあらすじから紹介していきます！
今回紹介する作品
『でぃすぺる』あらすじ
まずは『でぃすぺる』のあらすじから紹介していきます
あらすじ
小学生最後の夏休みが終わり２学期が始まった
オカルト好きのユースケは自分の趣味を壁新聞でアピールしようと掲示係に立候補する
すると、相方に立候補したのは学級委員していたサツキだった
サツキが立候補した理由は、去年従兄弟のマリ姉が何者かに殺され、その事件の犯人がまだ捕まっていないことだった。
犯人が捕まらない中、サツキはマリ姉のパソコンから『奥郷町の七不思議』と記された不思議なファイルを見つける
この七不思議の謎が解ければマリ姉を殺した犯人にたどり着くと信じ、調査を進めていくことになったユースケとサツキと3人目の掲示係であるミナ
果たして3人はマリ姉の死の真相を解明することはできるのかーーー
登場人物
今作の主な登場人物は以下の3人
- 木島悠介(ユースケ)
- 波多野沙月(サツキ)
- 畑美奈(ミナ)
ユースケはオカルト好きで、夏休みの間心霊スポットに出かけたことをクラスメイトに自慢げに話すほどです。
サツキは学年の中で学級委員長もやるほどの優等生で、親が弁護士のため中学受験に向けて勉強を頑張っています
ミナは6年生になってから転校してきた女の子で、物静かな不思議ちゃんという感じ
この3人が掲示係としてクラスの壁新聞を作りながら『奥郷町の七不思議』を解明いきます！
奥郷町の七不思議
今作の鍵を握るのは『奥郷町の七不思議』です
しかし、七不思議と言われているがこの怪談には6つしかなく、7つ目を知ると死んでしまうと言われています。
七不思議の内容は以下の通り
サツキからの提案で3人はこの七不思議を調べていくことになったのです。
従兄弟の未解決殺人事件
サツキはなぜ奥郷町の七不思議を調べようと言い出したのか
実はサツキの従兄弟であるマリ姉が去年何者かに殺害され、その犯人は未だに捕まっていなかったのです
そしてマリ姉の私物の中にあったノートパソコンに、この『奥郷町の七不思議』というデータファイルが入っていた
サツキ曰く、生前のマリ姉の性格を考えると七不思議なんかを集めるなんて明らかにおかしい
何とかマリ姉と七不思議の関係性を調べてもらおうと、親や警察に言ったが納得してもらえず、サツキはユースケたち一緒に自分たちで七不思議について調べようと言い出したのでした。
七不思議に隠された謎
七不思議という名の六つの怪談
この六つの怪談の謎を調べるために掲示係の3人は怪談に登場する土地に向かいます。
最初は「Sトンネルの同乗者」に登場するトンネルに向かう3人
そのトンネルのことを調べていくうちに、マリ姉が殺された前日にこのSトンネルで事故が起きていたことを知ります。
その事故で亡くなったのがマリ姉が卒業した大学の教授だったのです
もしかして本当に七不思議がマリ姉の殺人事件に繋がるーーー？
奥郷町に潜む謎の組織
物語は3人が七不思議の解明を進めていくという形で展開されていきます。
「永遠の命研究所」「山姥村」など怪談を調査していく中で、奥郷町の古い歴史の存在に気づいていきます。
そしてこの調査の中で出会う、マリ姉の知り合いだと名乗る作間という男、そして魔女の家に住む謎の老婆
様々な人物との出会いの中で3人は怪談の謎を次々解明していきます。
そして3人は奥郷町に古くから存在するであろう”謎の組織”の存在に行き着きます
この組織は町の図書館、病院、大学や町長にまで影響力を及ぼすほどの強大に存在だったのですーーー
ここから先の展開が気になる方は実際に読んでみてください！
読み応えたっぷりのオカルト✖️ミステリーに仕上がっていますよ！
『でぃすぺる』ネタバレ感想
ここからは実際に『でぃすぺる』を読んだ感想を紹介していきます！
ネタベレを含みますのでご注意ください！
七不思議の作り込みがすごい
この物語の鍵を握るのが『奥郷町の七不思議』
この七不思議がかなり作り込まれています。
七不思議の割に内容が細かく、それぞれが綺麗につながっていて、一つずつ調査していく中で謎が謎を呼ぶ作りになっています。
さらにはこの七不思議にもミステリーとしての仕掛けが施されていて本当に見事な作品でした！
七不思議を追う3人の掛け合いが見事
七不思議の調査はユースケ、サツキ、ミナの小6の3人で行われていきますが、それぞれの役割が明確で掛け合いがうまいんです！
ユースケは七不思議をオカルト的目線で見ていく
サツキはあくまでも現実的にマリ姉の気持ちを汲み取りながら七不思議を考えていく
そしてその2人の推理を聞き、2人の推理の穴をつきながら冷静にジャッジをする
その3人の関係性が見事に噛み合っていて、読んでいて気持ちがいいんです！
読みながら自分も3人と一緒になって推理している気持ちになるので、ワクワク感がすごく良かったです。
小学生らしい小さな謎も魅力
七不思議という大きな謎に挑みながら、物語の合間に小学生らしい小さな謎があるのもほっこりします。
靴箱の靴がなくなったりとか、サツキの中学受験の葛藤とか、主人公が小学生であることをうまく活かした息抜きできる仕掛けがちょうどいいんです。
そして小学生だからこそ、純粋に大人はこうなのか？と疑問に思うことも、大人になって改めて考えさせられる部分でした。
小学生だからといって甘く見るべきではない！そう思わされる作品です
ミステリーとオカルトの融合
今作を一言で表すなら『ミステリー✖️オカルト』です
純粋なミステリーとしても楽しめ、オカルト的な要素で恐怖を掻き立てられる物語
そしてラストは現実的な目線だけでは解決できない、しっかりとオカルト要素も組み込まれた結末でした。
読み応えたっぷりの作品なので、気になる方はぜひ実際に読んでみてください！
まとめ
今回は今村昌弘さんの『でぃすぺる』のあらすじと感想を紹介しました！
ミステリー✖️オカルト作品で、読み応えたっぷりのおすすめ小説です。
大きな謎に立ち向かう小学生3人の姿は、妙に大人びている部分もあれば、小学生らしいほのぼの要素もあって息抜きをはさみながらページをめくる手が止まらない。そんな作品です。
興味がある方はぜひ読んでみてください！
最後まで読んでいただきありがとうございました！
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