みなさんこんにちは!
今回は住野よるさんの『青くて痛く脆い』を紹介します!
この作品は住野よるさんの五作目の作品で2018年に単行本が出版され、2020年に文庫化されました。
また、2020年には吉沢亮、杉咲花の二人の主演で映画化もされた作品です。
物語は大学生1年生の春、田端楓と秋好寿乃が出会うことからはじまります。
最初に言っておくと、大学生の青春小説ですが恋愛小説ではありません。
タイトルの通り、大学生の青くて痛い青春とそれによる後悔の物語です
それでは紹介していきます。
『青くて痛くて脆い』
あらすじ
大学1年生の春
人に不用意に近づきすぎないことを信条にしていた田端楓は同じ一年生の秋好寿乃と出会います。
秋好寿乃は授業中に空気の読めない質問や発言をしたりしていて、周囲からやばいやつ認定をされていて浮いていました。
そんな秋好と楓は、なりたい自分になるために理想を追い求める秘密結社「モアイ」を結成しました。
それから3年。あの時理想を語っていた秋好はもうこの世にはいません。
秋好を失い、二人で作った「モアイ」を奪われた楓は、友人の董介とあの頃の「モアイ」を取り戻す作戦にでる
青くて痛い青春と、後悔の物語
秋好寿乃との出会い
物語の始まりは大学1年生の春
田端楓(タバタ カエデ)が秋好寿乃(アキヨシ ヒサノ)と出会うことから始まります。
楓は自らの人生のテーマとして、”人に不用意に近づきすぎないこと”、”誰かの意見に反する意見を出来るだけ口に出さないこと”を決めていました。
結果的にこのテーマが物語の後悔に繋がったと思います
あの時しっかり言いたいことを言えていれば。。。
そんな楓とは対照的に、秋好の第一印象は相手の懐に土足で踏み込むような性格でした。
また、授業中に質問と称した理想論を語ったりして学内では”イタイ奴”認定をされ、浮いた存在になっていました。
そんな秋好に、ある授業後の昼食時に突然話しかけられた楓
最初は深く関わりたくないと思っていましたが、関わっていくにつれてめんどくさい秋好に一つの純粋さを見つけます。
それは、自分の信じる理想を努力や信じる力で叶えようとするし叶うと信じている純粋さです。
自分も過去に持っていた純粋さを、真正面から向けられた楓は秋好を無下にはできなかったのです。
これが楓と秋好の関係の始まりです。
モアイの結成
こんな正反対の楓と秋好がモアイを結成したのは、大学1年の6月
秋好が自分の求めるサークルや部活を見つけられない中で、楓の”そんなにやりたいことがあるなら自分で作ったらいいのに”というアドバイスがきっかけで『モアイ』が結成されることになりました。
『モアイ』の信念は”4年間で、なりたい自分になる”こと
秋好の大それた理想を追い求めるための組織が生まれたのです。
そんな『モアイ』はその後、ボランティアや災害支援の活動を主催するなどして、学内でも注目される組織になっていきます
二人の学生が思いつきで作った組織が、学外の大人たちも巻き込み、一気に大きな組織へと成長していくのです。
物語の展開
物語は『モアイ』が結成され、月日が流れ四年生の就活の時期にまで進みます。
その頃には楓はモアイを脱退しており、秋好はこの世からいなくなってしまっていたのです。
秋好というリーガーを失い、なりたい自分になるための理想を掲げた組織が、いつしかOBOGとの繋がりを生むためだけの組織に廃れてしまっていました。
楓は当時の秋好の理想に応えるために、もう一度当時のモアイを取り戻すために、モアイと戦う決意をするのです。
友人の董介と一緒にモアイの活動の弱みや闇を暴いて、せめて活動停止にでも持ち込もうと様々な方法でモアイの情報を集めていきます。
物語のラスト
ネタバレになるので多くは話しませんが、『モアイ』が結成してから楓と秋好がどのように進んでいたのかや、楓はなぜモアイを脱退したのか、秋好はなぜこの世からいなくなったのかが明らかになっていきます。
感想
タイトル通りの物語
本当に『青くて痛くて脆い』のタイトル通りの作品になっていて、大学生の青春とその青春から感じた後悔の物語です。
作品の舞台になってる大学生という時期
この時期は子供と大人のちょうど狭間の時期にあると思っています。
20歳をまたぐからというのはもちろんですが、高校生の頃までにはできなかった大きなことが大学生になるとできるようになって、それが故に大きな理想を描いてしまう時期だと思います。
しかし大人になり始めたばかりで、先のことが見えずに他人を巻き込んでしまうほどの大きな失敗をしてしまうことがあります
この青くて痛くて脆い時期の楓の成長が見事に描かれています。
社会人になって読んでみると
社会人になって読んでみると、こんな理想を語っている時期も自分にあったなと思ってしまいました笑
キラキラした青春ではないけど、その分リアルな大学生が描かれていて、今大学生の人や社会人の人に特にオススメしたい一冊です。
楓を応援する気持ち、楓にムカつく気持ち、秋好を応援する気持ち、人によっていろんな感情を持たせてくれる作品です
みなさんもぜひ読んでみてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか
この作品は住野よるさんの作品の中でも感想の表現の仕方が難しい作品でした。
楓が間違っていると思う人もいると思いますし、楓に同情する人もいると思います
そんな人によっていろんな感想が持てる作品です。
興味があればぜひ読んでみてください!
また映画も公開されているので、そちらから見てみるのも良いと思います
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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