「水を縫う」を読んでからすっかりファンになった寺地はるなさん😊
社会に流されてながら、自分を強く持つために勇気をくれる一冊でした
あらすじ
本作の主人公である希和は、ある日パートの帰り道に民間学童「アフタースクール鐘音」で「こんなところにいたくない」と書かれた息子の筆跡のメッセージを見つける
ただ希和はこのことを息子に直接聞くことも、夫に相談することもできない
その後、希和は「アフタースクール鐘音」で働きはじめる。
そこで経営者である要や子供たちに振り回されながら、自分がいつの間にか自分の意見を持てない人間になってしまったことに気づき、息苦しさを感じていました。
そんな希和が”自分の言葉”を取り戻す、大人の成長物語です
感想
この本に出てくる希和の気持ちに少しでも共感できる人は多いんじゃないかと思います。
社会に流されながら、いつの間にか周りに流されて言いたいことを言えずに後悔している。
何なら周りに流されることに慣れてしまって、その方が楽に感じてしまって、考えることをやめている。
そのこと次第が悪いことではないと思うけど、本当にそれで満足ですかと聞かれるとそうではないと僕は答えるんじゃないかなと思いました😥
一言で気持ちを表せなくてもいいし、言葉が上手くなくてもいいから、しっかり自分の意見をまずは持つことが大事だと思いました
そして、その言葉をしっかり相手に伝える。
難しいことだと思うけど、そうすることで今よりも周りの環境が良くなる事があるんじゃないかなと考えさせられました🧐
希和も夫に言いたいことが言えずに息苦しさを感じている中で、はっきりと言いたい事を話すことができていなくても、その意思が伝わっただけで環境が少しづつ良くなっていきました。
自分中で勝手に気を遣って言わなかった事も、むしろ言った方がお互いの距離が近くなって、良い方向に物事が進む事を教えてくれました。
自分を殺してまでただの一般人になる必要はないと、自分に自信を持って、一歩踏み出す勇気をくれる一冊でした📚
印象に残った言葉
「簡単って。希和さんにとっては、でしょ?誰でも同じことが同じようにできるわけじゃないんだから、できることは『できるんだよ、すごいでしょ』と胸をはればいいんじゃないですかね」
「子どもを悪いもの、悪いことから守るのは大人の役目ですよね」
「でも子ども自身がなにかを感じて、自分で切り抜ける力を持っていると信じることも同じくらい大事なんじゃないですかね」
たったひとことで状況を一変させるような、魔法みたいな強い言葉は、きっとこの世にはない。それでも自分の言葉を持ちたい。
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