みなさんこんにちは!
今回は作者紹介をしようと思います!
今回紹介するのは『寺地はるな』さんです!
個人的に大好きな作家さんの一人で、辛い現実の中での一歩踏み出す勇気をくれる作品が多いです
どんな時に読んでもすっと心に入ってくる作品が多く、オススメの作品ばかりです!
では、寺地はるなさんを知らない人のためにまずは人物紹介からいきます!
人物紹介
寺地はるなさんは2015年に『ビオレタ』で小説家デビュー。
この作品がポプラ社が主催する第4回ポプラ社小説新人賞を受賞します。
その後、2020年には『夜が暗いとは限らない』で第33回山本周五郎賞候補に選ばれ、2021年には『水を縫う』が第42回吉川英治新人文学賞候補に選ばれ、今作は第9回河合隼雄物語賞に選ばれました!
そして『水を縫う』は2021年夏の青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)にも選出され、多くの人に読まれる作品となりました!
寺地はるなさんの作品は心にそっと寄り添ってくれる人間ドラマが魅力で、いろんな境遇の人の心掴む素晴らしい作品ばかりです。
理想と現実のギャップに苦しむ人を救ったり、明日の未来へ一歩踏み出す勇気をくれる作品たちです
それでは僕が実際に読んだ作品を、オススメ順に紹介していきます!
作品紹介(個人的オススメ順)
自分が今まで読んできた寺地はるなさんの作品の中で、オススメ順に紹介していきます!
『カレーの時間』
ゴミ屋敷のような家で暮らす祖父の義景
義景はいわゆる昭和の男で妻と離婚しており、3人の娘にも嫌われていた
そんな祖母と一緒に暮らすことになった孫の桐矢
カレーを囲む時間だけは打ち解ける祖父が、娘に嫌われながらも半世紀の間
抱えてきた秘密とはーー
不器用な祖父の物語
最初はこのおじいちゃん頑固すぎるやろってちょっと嫌いやったけど、最後はまじでかっこよすぎました
物語の間でおじいちゃんの過去が振り返られていて、不器用でも一生懸命な生き方が憎めない
家族から嫌われているおじいちゃん
おじいちゃんこそ家族のこと愛していないんじゃないかなと思っていたら全くそんなことない!
愛していても、愛し方がわからない
不器用すぎるおじいちゃんです
愛しているからこそ隠してきた真実を知った時は、このおじいちゃんのことをみんな好きになると思います。カッコ良すぎるけど不器用すぎるおじいちゃんです
読後の余韻がすごい作品でした
『夜が暗いとはかぎらない』
大阪市近郊にある暁町。閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきが突然失踪した。かと思いきや、町のあちこちに出没し、人助けをしているという。いったいなぜ―?さまざまな葛藤を抱えながら今日も頑張る人たちに寄りそう、心にやさしい明かりをともす13の物語。(「BOOK」データベースより)
13の物語から成っていて、多くの人物が登場します
ただ内容はすごいリアルな、人間の葛藤がはっきりと書かれていて少し苦しくなるような内容もありました
ただそんな中でも街中に出没する”あかつきん”の姿を見て、少しずつでも変わっていこうとする登場人物の姿にホッと暖かい気持ちになりました
普通ってなんなのか、何のために生まれてきたのか、今をしっかり大切する、というようなどんな人でも一度は考えたり、感じたりするようなことが登場人物の気持ちと共に描かれていて、心に沁みる話がたくさんありました
『水を縫う』
寺地はるなさんを好きになるきっかけになった作品です
男なのに刺繍が好きな弟の清澄。女のなのにかわいいものが苦手な姉の水青といった様な、世間からみる普通とは少し違った家族の物語。そもそも普通とは何なんだろう。世間の普通を乗り越えていく家族の物語。
”普通”って何なんだろう。そもそも”普通”って誰が決めたんだろう。”普通”が正解なんだろうか。”普通”というものについて考えさせられる作品です
『ガラスの海を渡る舟』
大阪の心斎橋からほど近いエリアにある「空堀商店街」。
そこには、兄妹二人が営むガラス工房があった。
兄の道は幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、「みんな」に協調したり、他人の気持ちに共感したりすることができない。
妹の羽衣子は、道とは対照的に、コミュニケーションが得意で何事もそつなくこなせるが、突出した「何か」がなく、自分の個性を見つけられずにいる。
正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていて、祖父の遺言で共に工房を引き継ぐことになってからも、衝突が絶えなかった。
そんなガラス工房に、ある客からの変わった依頼が舞い込む。それは、「ガラスの骨壺が欲しい」というもので――。
元々お互いのことを嫌っていた兄妹が二人でガラス工房をやっていくことになって、徐々に距離が縮まっていく姿が印象的でした
羽衣子の特別扱いされない嫉妬はすごいわかる!なんでもそつなくこなせちゃうけど、だからこそ特に目立ったところがなくてもどかしさがある気持ち
結局どんなに周りから目立たなくてもその人はその人しかいなくて、見る人から見れば特別な存在であると思える気持ちが大事やなって思いました
道の思ったこととか言いたいことをはっきり表したい性格は角が立つことも多いやろうけど、それに救われる人もいっぱいいるんだろうなって感じましたね
表紙の羽衣子が冷たい殻に閉じこもってる姿から、裏表紙の暖かいガラスの中で二人が一緒に舟に乗ってる姿に変わってるのがこの作品のストーリーが表されていて読んだ後にすごっ!!ってなりました
『川のほとりに立つ者は』
カフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受ける。
松木の部屋を訪れた清瀬は、彼が隠していたノートを見つけたことで、恋人が自分に隠していた秘密を少しずつ知ることに――。
「当たり前」に埋もれた声を丁寧に紡ぎ、他者と交わる痛みとその先の希望を描いた物語。
誰でも相手のことを考えすぎるあまり、深く歩み寄ることができないことってあると思います。
そのことが原因で、伝えたいことが伝わらず、相手に誤解を与えてしまうことがありますよね。
そんな葛藤がテーマの作品です。
人間関係を保つためには、相手のことを気遣いすぎず、ある程度心のうちをしっかりと話すべきだと感じました。
『声の在りか』
希和は、ある日パートの帰りに民間学童「アフタースクール鐘音」に「こんなところにいたくない」と書かれた息子の筆跡のメッセージを見つける
ただ希和はこのことを息子に直接聞くことも、夫に相談することもできない
いつの間にか自分の意見を持てない人間になってしまった希和の”自分の言葉”を取り戻す、大人の成長物語です
この本に出てくる希和の気持ちに少しでも共感できる人は多いんじゃないでしょうか
社会に流されながら、いつの間にか周りに流されて言いたいことを言えずに後悔している。
何なら周りに流されることに慣れてしまい、楽に感じてしまって、考えることをやめている。
そのこと次第が悪いことではないと思うけど、本当にそれで満足ですかと聞かれるとそうではないと僕は答えるんじゃないかなと思いました
難しいことだと思うけど、そうすることで今よりも周りの環境が良くなる事があるんじゃないかなと考えさせられました
自分を殺してまでただの一般人になる必要はないと、自分に自信を持って勇気をくれる一冊でした
『タイムマシンに乗れないぼくたち』
全7編の短編集
全部の物語は繋がってるわけではないけど
全体通してのテーマとしては
“自分なんで一人ぼっちだと思って諦めてた。
でも一歩踏み出して周りを見てみたら、周りには自分を助けてくれる人がたくさんいることを感じることができた”
って感じですね
自由に生きることって意外に難しくて、周りに合わせず自分を主張すると仲間はずれにさせることって多いと思います
会社でもそうやし、学校なんてまさにそんな感じがしますね
それでも自分をわかってくれる人は必ず周りにいて、一歩踏み出す勇気を持てば幸せに繋がることを忘れないようにしないとです
勇気を与えてくれる物語たちでした
個人的には「タイムマシンに乗れないぼくたち」と「対岸の叔父」がお気に入りです
『ほたるいしマジカルランド』
“ほたるいしマジカルランド”
蛍石市にある遊園地には”マジカルおばさん”という名物社長がいて、たくさんの人たちが働いている
そこで働いている人たちはそれぞれ違う悩みや苦労を抱えています。
そんな中社長が入院したという知らせが入り、従業員たちに動揺が走ります。
全7編の物語
全7編の物語はそれぞれ違う従業員が主人公で、それぞれの話が絶妙にリンクしていて、どんどん次が気になる話でした
みんなそれぞれ違う悩みは苦労を抱えているけど、それを乗り越えるためには大きなきっかけでじゃなくて、日常の小さな気づきにあることを教えてくれる作品でした!
周りの評価や世間体じゃなく、自分のやりたいことをやってる姿一番美しいと、勇気をもらえる作品です
最後はみんなが清々しく自分に自信を持って生きている姿が気持ちよかったです
『今日のハチミツ、あしたの私』
もし明日人生が終わるとしたら、
きっとわたしは、喜ぶ”
そんな風に思っていた中学時代に碧は知らない女性から蜂蜜の瓶をもらった。
それから十六年
碧は恋人の親に
結婚を反対されたことがきっかけで
蜂蜜園を手伝うことになった
そこで出会う様々な人たちとの日々。
人はどんな場所でも、何度でもやり直していけることを教えてくれる長編小説
「もし明日人生が終わるとしたら、きっとわたしは、喜ぶ」という衝撃的な一文から始まる作品
今の人生に嫌になって、諦めていた碧が環境を変えて、どんどん前向きになっていく姿に勇気をもらえました
安西を父親を見返してやった時はざまみろって思いましたね笑
登場人物をみんな印象的で、黒江さんは流石に不器用すぎる!
自分から嫌われ役をやって、家族を守るほんまの父親やなって思いました
人はどんな時でもやり直せるし、変わっていける
そんなことを教えてくれる作品です
『大人は泣かないと思っていた』
九州の田舎町で住む時田翼は32歳。父と二人で暮らしていた
翼の趣味はお菓子作りで、父からもいつも男のくせにと嫌味を言われていた
そんな日常の中である日、庭にあるゆずが盗まれていると父が怒り、犯人を捕まえたがその犯人は小柳れもんという20代の女の子だった
この出会いから、翼の周りがどんどん動き出していくーーーー。
村の伝統とか目上へのお酒の注ぎなどの固まった常識から、自分の好きに生きていいんだよと一歩踏み出す自由をくれる物語
男らしさとか女らしさとか、そんなしがらみから自由になった本当の生き方を見つけられると思います
『雨夜の星たち』
できないことは、できません。
やりたくないことも、やりません。
三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。
同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。
他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は
「お見舞い代行業」にスカウトされ、
移動手段のないお年寄りの病院送迎や
雑用をする「しごと」をはじめる。
いわゆる”察する”というようなことができない主人公の、相手の気持ちの奥まで関わろうとしない感情
最後の方でやっと主人公の気持ちを理解できました
確かに相手のことをわかった気になって、相手の気持ちを想像で決めつけて、行動してしまうと後で取り返しのつかないことになることだってありますよね
だからこそ主人公は相手の言葉をそのまま受け取って、その奥までは入り込もうとしない。
正直寂しいし悲しいけど人間関係のストレスの中でそういう逃げ方はあってもいいのかなと思いました。
まとめ
いかがでしたでしょうか!
寺地はるなさんは個人的に大好きな作家さんの一人で、オススメの作品ばかりです!
優しい人間ドラマに興味がある人はぜひ作品を手にとってみてください!
読んだ作品が増えればどんどん更新していくので、興味がある方は当ブログを引き続きチェックよろしくお願いします!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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