みなさんこんにちは!
今回は安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』を紹介します!
この作品を読む前に、スパイという言葉から、潜入捜査をして謎を解き明かしていくようなイメージを持ちますがこの作品はそういう作品ではありません!
スパイ活動をしながらその潜入先に温かい情が芽生えていき、主人公が新たな一歩を踏み出す物語です
それではあらすじから紹介していきます!
ラブカは静かに弓を持つ
あらすじ
全日本音楽著作権連盟に勤める橘樹(たちばないつき)
ある日、上司の塩坪に呼び出され、ある音楽教室への潜入操作を命じられる。
その音楽教室で実際に著作権のある楽曲がレッスンの中で使われているのか生徒として調査をしてくるというもの
小さい頃にチェロをしていた橘樹は講師・浅葉桜太郎のもとに通い始める。
最初は仕事として通っていたが、だんだん昔のチェロの楽しい記憶が蘇り、奏でる喜びと裏切る苦しみを味わっていくーーー
音楽教室への潜入捜査
この作品は全日本音楽著作権連盟(全著連)に勤める橘樹が、
上司の塩坪からミカサ音楽教室への潜入捜査を命じられることから物語がスタートします。
潜入捜査と聞くと何か事件を捜査するのかと思いますよね?
今回音楽の著作権使用料を大手の音楽教室から徴収を始めることになったことがきっかけで、この潜入捜査を命じられることになりました。
樹は子供の頃にチェロをやっていました。
そのため今回、実際にミカサ音楽教室に生徒としてチェロを習いにいき、レッスンの様子を録音してくるなどする潜入捜査に選ばれたのです。
橘樹の過去
橘樹は子供の頃チェロを習っていましたが、その頃に誘拐未遂事件に巻き込まれてしまいます。
橘樹は地元でも目立つ家に住んでおり、チェロという大きな楽器を背負っていたので目をつけられたのかもしれません。
この事件がきっかけで、元々チェロをやらせることに賛否あった家族内に亀裂が生じ、チェロを辞めることになったです。
それからチェロとは疎遠になり、大人になってからもチェロを見ると動悸が起きたりと、心に深い傷を追ってしまったのです。
今作の見所
今作の見所は潜入捜査中の橘樹の心情の変化です
橘樹は人付き合いが苦手で、今回の潜入捜査も仕事でやっていることなので仲良くなる人などいないと思っていました。
しかしチェロと触れ合ううちに、チェロの演奏やチェロ仲間との交流に楽しさを覚え、自分の居場所が見つかったような感覚になっていったのです。
そして元々悩んでいた不眠症まで解消されていき、仕事を考えずにチェロを楽しみたいと思うようになっていきます。
しかし、橘樹はスパイとしてミサキ音楽教室に入ってきた身
最終的には仲間や先生を裏切ることになる罪悪感とチェロとのお別れに寂しさを覚えるのですーーー
最終的に橘樹はどうなるのかーー
スパイとしてミカサ音楽教室を裏切るのか、チェロ仲間との楽しい日々を取るのか
最後まで気になる方はぜひ実際に読んでみてください!
感想
最初はスパイ作品と聞いていたので、潜入捜査をして事件を解決していくのかと思っていたけど、実際はそんな物語じゃなかった!
橘樹の心情の変化がすごく良くて、最初は昔のトラウマからチェロに近づくことすら辛かったのが、だんだんと生活にチョロが浸透していきます
そのおかげで橘樹の心に安らぎが生まれ、不眠症や孤独感が薄まっていくのです
チェロ仲間や講師の浅葉のキャラも魅力的で、それが逆にスパイとしても裏切りの罪悪感を大きく感じさせていました。
なんとか橘樹には幸せになってほしいと願いながら読んでいましたが、クライマックスは少し辛いです。。。
でも最後はそれを乗り越えて、1から新しく踏み出そうとする姿は最初からは想像できず、幸せな気持ちになりました!
きっと後悔しない素晴らしい作品です!
まとめ
今回は安壇美緒さんの『ラブカは静かに弓を持つ』あらすじと感想を紹介しました!
ただのスパイ作品ではない魅力たっぷりな作品です!
興味のある方はぜひ読んでみてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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