みなさんこんにちは!
年間100冊本を読む読書家のだいちです!
今回は川上未映子さんの『黄色い家』のあらすじと感想を紹介します!
『黄色い家』読んでみたいけど買う前に内容を知りたいな・・
こういう方に向けた記事になっています!
この記事を読めばあなたもきっと『黄色い家』を読みたくなるはずです!
『黄色い家』は出版時点で世界中から翻訳オファーが来るほど、海外からも注目されている作品です。
600ページ近くもある作品ですが、圧巻の物語であっという間に読めてしまう物語です
それではまずはあらすじから紹介していきます。
今回紹介する作品
あらすじ
まずはあらすじから紹介していきます
あらすじ
2020年、惣菜店に勤める花は一件のニュース記事に黄美子の名前を見つける
黄美子は20代の女性を監禁し傷害の罪に問われていた。
この記事を見て、20年前黄美子と過ごしていた5年余りの日々を思い出す
黄美子と花、そして二人の少女の4人で過ごした擬似家族のような日々
花はなんとか生きていくためにシノギに手を染め、誰にも言えない生活を送っていた。
15歳からの5年間を犯罪に身を染め生き抜いてきた花たちの歪んだ共同生活は、金のために狂わされていたーーー
人はなぜ金に狂い、罪を犯すのかーー
物語の始まり
物語は惣菜店に勤める花が、一件のニュースに黄美子の名前を見つけるところから始まります
60歳の黄美子は、20代の女性を1カ月以上監禁し暴行を加えた罪にとわれていました。
そんな黄美子と花は20年前一緒に生活をしていました。
15歳の頃に花は初めて黄美子と出会い、そしてその2年後に再会
それから20歳を過ぎるまで、二人は一緒に住んでいました。
そして、その家には他に二人の女の子も一緒に住んでいました。名前は蘭と桃子
4人はキャバクラやスナックなどでお金を稼いでいましたが、次第に生活が厳しくなっていきシノギに手を染めるようになっていくのです。
20年間その生活を忘れていた花は、黄美子の名前を見て昔のことを思い出します。
その後物語は花と黄美子の過去が描かれていきます。
花と黄美子の出会い
花と黄美子は花が15歳の頃に出会いました。
花が中学生最後の夏休みを過ごしていた頃、花の家に突然現れた黄美子
黄美子は花の母親が働いているスナックのお客さんで、花の母親とは仲良しでした。
そして、夏休みに花の母親が恋人と旅行している間、黄美子は花と一緒に過ごすことになったのです。
当時の黄美子はきれいとか美人というより強い女性という感じで、花は一緒に過ごしていくうちに黄美子のことを好きになっていきました。
花の家がすごく貧乏で、学校でもからかわれていました。
そんな花にとったら黄美子は心強い存在で、黄美子のおかげで学校でも仲良くできる友達ができました。
黄美子との再会
黄美子がいなくなってから数年、花は実家を出るために、とにかくバイトをしてお金を貯めていました。
母親との貧乏な生活から抜け出し、一人で生きていきたいと思っていました。
しかし貯金も貯まってきたある日、花に悲劇が襲います。
花が必死にバイトをして貯めた70万円が突然無くなったのです
犯人はおそらく花の母親の元恋人
花はこの一件以来全てのやる気を失い、頑張っていたバイトも辞めてしまいました
そんな悲しみに暮れていたある日
花は黄美子と再会します。
黄美子は花に対して「私と一緒にくる?」と尋ねます。
それに対して花は、「黄美子さんと、一緒にいく」と答え、それから花と黄美子の共同生活が始まるのです。
蘭と桃子との出会い
花と黄美子が共同生活を始めると、二人でスナックを始めます。
二人のスナックは順調で、稼ぎもしっかりと出せていました
そんな中、花はスナックの近くでキャバクラのキャッチをしていた蘭と出会います。
そして、その後スナックに客としてきた桃子とも出会い、次第に4人での生活が始まるのです。
しかし、楽しかった4人の生活にも悲劇が襲います。
順風満帆だったスナックが火事で全焼してしまうのです
ここから花の人生が闇へと進んでいくのですーーー
金のために犯罪を犯す
スナックがなくなり、稼ぎがなくなった花は黄美子の昔からの知り合い経由でシノギの道に進んでいきます。
シノギの仕事は、ヴィヴィアンという女性から偽装キャッシュカードを受け取り、お金を引き出すというもの
そして、引き出したお金の数%を受け取れるという契約でした。
犯罪を犯しているという罪悪感と恐怖から、最初は精神を削られながら稼ぎを増やしていった花
しかし、そこで貯めたお金もある悲劇のせいでほとんどを失ってしまうのですーーー
花はどんなに頑張ってもお金を失ってしまうんです。。。
この悲劇を機に、花だけでなく蘭と桃子もシノギの道に進み、4人の生活はシノギの稼ぎで成り立つようになってしまったのです。
そんな生活も長くは続かず、ある人物の死によってどんどん崩れていくのですーーー
ここからの展開は圧巻です!
気になる方は実際に読んでみてください!
感想
実際に読んだ僕の感想を紹介します
犯罪を犯しても花を応援してしまう
スナックを失った花はお金を稼ぐためにシノギという犯罪に手を染めますが、それでも花のことを応援してしまうような物語になっています。
というのも花は他人のためにお金を稼ごうとするのです。
4人での生活のため、母親のために自ら犯罪を犯しながらお金を稼いでいきます。
その姿を見ると間違っていることをしても、花のことを責めることができず、むしろ花には幸せになって欲しいと願ってしまうのです。
金のために人生が狂っていく姿が強烈
花の人生はお金に狂わされてしまったと言っても過言ではありません。
学生の頃からお金を稼ぎだし、最初の稼ぎを奪われた花はそこからとにかくお金のために行動していきます。
特に、4人での生活が本当に苦しくなっていった時の花の姿は強烈です。
今まで自分を犠牲にしてまでもお金を稼ぎ続けた苦しみが一気に爆発して、花の性格まで変えてしまうほどになるんです。
お金に人生を狂わされた人間の姿を見せつけられる作品でした。
600ページあるとは思えないほどあっという間
本作は見た目のわりに600ページもある大長編です。
にもかかわらず本当にあっという間に読める作品です。
物語のスピード感が爽快ですし、細かく章が分かれているので読みやすいと感じました。
一度も見出すとやめられない魅力がある作品です。
まとめ
今回は川上未映子さんの『黄色い家』を紹介しました
世界中から翻訳オファーが殺到するくらい注目されている作品で、期待を裏切らない素晴らしい完成度でした。
600ページ近くもあるのに、その長さを感じさせないくらいあっという間に読めてしまい、物語に飲み込まれました。
花という主人公が金に狂わされ、20代でシノギに手を染める姿は強烈でした。
犯罪を犯しているのに、花の人生を応援してしまう不思議な感情を掻き立てられ、人間の生きるためのエネルギーを感じる作品でした。
あなたも興味があればぜひ読んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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