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三秋縋『さくらのまち』あらすじと感想を紹介!(ネタバレあり)

みなさんこんにちは!

今回は三秋縋さんの『さくらのまち』のあらすじと感想を紹介していきます!

今作は前作から6年ぶりの書き下ろし作品です!

三秋縋さんといえば、『三日間の幸福』や『恋する寄生虫』などの作品が有名で、それぞれ漫画化や映画化がされたヒット作になっています。

今作は、タイトルからは想像のつかないような物語で、周りの優しさに苦しめられた主人公を中心に、複雑な人間関係が引き起こす青春ミステリーです

それでは内容から詳しく紹介していきます!

『さくらのまち』をオススメする人
  • 三秋縋さんが好きな人
  • 心揺さぶられる作品を読みたい人
  • 没入できる小説を読みたい人
著:三秋 縋
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この記事を書いた人
  • 書評ブログ歴3年
  • 年間読書数100冊
  • 好きな作家 
    住野よる、町田そのこ、知念実希人
  • Audible、Kindle愛好家
一緒に
読書しましょう!
目次

『さくらのまち』のあらすじ

まずは『さくらのまち』の内容について紹介していきます!

あらすじ

二度と戻らないつもりでいた桜の町に彼を引き戻したのは、一本の電話だった。

「高砂澄香が自殺しました」

澄香――それは彼の青春を彩る少女の名で、彼の心を欺いた少女の名で、彼の故郷を桜の町に変えてしまった少女の名だ。
澄香の死を確かめるべく桜の町に舞い戻った彼は、かつての澄香と瓜二つの分身と出会う。
あの頃と同じことが繰り返されようとしている、と彼は思う。
ただしあの頃と異なるのは、彼が欺く側で、彼女が欺かれる側だということだ。

人の「本当」が見えなくなった現代の、痛く、悲しい罪を描く、圧巻の青春ミステリー!

物語の始まり

物語は一人の女性の死から始まります

主人公の尾上はマッチングアプリのサクラをやっており、それで生計を立てていました。
尾上は過去のある出来事から他人と接することができなくなり、可能な限り一人で生きていくようにしていたのです。

そんな時、知らない男から突然の電話
その内容は「高砂澄香が自殺しました」というものでした

澄香は尾上にとって生きていく上での脅威であり、他人と接することができなくなった原因の人物なのです。

物語がここから尾上の過去に遡ります。

尾上の過去

尾上は中学の頃、あるきっかけで孤立して姉妹との友達がいませんでした。

しかし、ある日クラスの人気者である高砂澄香から話しかけられるのです。

クラスで孤立した男子に話しかける人気者の女子・・・

最初は澄香のことを疑っていたものの、次第に二人は仲良くなり常に一緒にいるようになります。

そして、中学2年になった二人は鯨井という男子との仲良くなります。
3人はどんな時も一緒にいて、親友と呼べるまでの仲になっていくのです

しかし、あるきっかけ3人の仲が崩れてしまいます。

物語の鍵を握る設定

3人の仲が崩れる原因になったのは物語の特殊な設定です

物語の世界では、全国民に『システム』と呼ばれる腕輪型デバイスの着用が義務付けられていて、腕輪を着けている人の生態情報が常に監視されているのです。

そして、この腕輪には隠された機能があり、装着者の”自殺リスク”がみられていたのです

さらに、自殺リスクは高い人は本人の知らないところで様々な支援がされており、その支援の一つがプロンプター制度というもの

この制度は、自殺リスクの高い人に善き友人として振る舞い自殺を阻止するというものなのです。

この制度を知った尾上は澄香を鯨井のことを自分のプロンプターだと思ってしまうのです

クラスで孤立した尾上と仲良くする時点で怪しいですもんね・・

澄香の自殺調査

プロンプター制度によって他人を信じることができなくなった尾上は、その後あらゆる人脈を断ち、一人で生きていくことを決めるのです。

そんな生活をしている時に、連絡があった澄香の自殺

尾上は自殺の真相を探るべく、生まれ故郷に戻り、澄香の身辺調査に踏み切るのです。

そして、そこで尾上は澄香の妹に出会い、澄香の自殺調査を進めていきます。

調査をする中で、次々と明らかになっていく澄香の正体

澄香は本当に尾上のプロンプターだったのかーー
そして、クラスの人気者だった澄香はなぜ自殺してしまったのかーーー

ラストに明らかになる真相にはきっと胸が締め付けられると思います。

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『さくらのまち』の感想

ここからは『さくらのまち』を実際に読んだ感想を紹介していきます

ネタバレを含みますのでご注意ください!

プロンプター制度が恐ろしい・・

物語の鍵を握るのはプロンプター制度で、この制度の影響で尾上は他人を全く信用できなくなってしまったのです。

僕はこの制度のことをすごいリスクの高いものやと思っていて、バレなければ自殺を阻止できるかもしれないけど、バレたらどんな人も男神と同じように、人間不信になるやろって思いました。

ましてや、尾上にとって澄香と鯨井は親友と呼べれほどの仲になってたから、そんな真相を知ってしまったら自分には本当の友達はおらんねやって思うと思います。

しかも、周りの人間が原因サクラやと思ってしまう症状を”サクラ妄想”って呼んでいて、そこまで言われるほどサクラの存在が知られてたらアウトやんって思っちゃいました・・

僕はこの制度反対派ですね
皆さんはどう思いますか?

タイトルの意味

今作のタイトルは『さくらのまち』
最初に表紙を見た時は、この女の子が”さくら”って名前で、この子が住む街の話かなと思いました

しかし、物語では桜は全く出てこなくて、出てくるのは”サクラ”の方

プロンプター制度で、自殺ハイリスクの支援にあたる人物のことをサクラと呼び、そのことが作品のタイトルになっているんです。

二度と帰ってこない過去

物語のラストで明らかになるのは、尾上に近づいた澄香と鯨井の本当の意図

この真相がとにかく悲しい・・・・

「なんでもっと早く本当の気持ちを話さんかったんやろう・・」って後悔が残るラストになっています。

真相を知って、尾上と澄香と鯨井の3人が永遠の親友になれたかもしれない世界線のことを考えると、胸が苦しくなりました・・

決してハッピーエンドではないけれど、未来への希望が見える読最高の作品でした

みんなの感想

SNSに投稿された今作の感想も紹介します!

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まとめ

今回は三秋縋さんの『さくらのまち』を紹介しました!

尾上人生を変えら女性の死から始まる青春ミステリーで、とにかく心を揺さぶられる作品です。

ハッピーエンドではないのに全く不快感はなくて、悲しくてもどかしい気持ちになる物語でした。

三秋縋さんらしい少し変わった物語の設定もオススメのポイントです!

興味のあるからはぜひ読んでみてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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