みなさんこんにちは!
今回は須藤古都離さん2作目『無限の月』のあらすじとネタバレ感想を紹介します。
須藤古都離さんは前作の『ゴリラ裁判の日』で満場一致でメフィスト賞に選ばれ、デビューを果たした作家です
『ゴリラ裁判の日』も今までに読んだことのない物語でかなり衝撃を受けましたが、今作の『無限の月』は前作以上の衝撃です!
プロローグから不思議な世界観に取り込まれ、読んでいってもこのままどんな展開になるのか全く予測ができない物語でした。
今まで読んできた物語のどのジャンルにも属さない個性的な作品で、須藤古都離の個性が存分に発揮された物語だと思います!
『無限の月』あらすじ
あらすじ
中国のある町で起こった奇妙な出来事。真夜中、パソコンのディスプレイに「誰かたすけて」の文字が、いくつも表示された。しかも、1軒だけではない。次から次に、異変は連鎖する。
何者かによるハッキングが原因かと思われたが、犯人はわからない。
日本では、脳科学をテクノロジーに昇華させ「時代」を作ったやり手のIT経営者の妻が、階段からころげ落ち、大怪我を負った。相手の不倫が原因で別居をしていた夫と、妻は久しぶりに会う。そして、気づく。
この人は、私が愛したあの人じゃない。別人だ……。
メフィスト賞満場一致の受賞作『ゴリラ裁判の日』で注目を集めた著者がおくる待望の第2作。中国と日本を舞台に、予想を裏切る角度と速度で展開するノンストップエンターテインメント!
中国で起きたハッキング事件
本作は中国のとある村での出来事から始まります。
この村に1人のヨーロッパ系外国人が訪れます。
この外国人はどうやらカメラマンで、なぜか中国の田舎町の様子を写真に収めたいというのだ。
物好きなやつのいるんだなと思いながら、この街に住む徐春洋はこの外国人のガイドを任されます。
しばらくこの街に滞在し、本当に写真を撮るだけとって帰っていった外国人
この外国人が帰る時に空港まで見送りに行き、そのまま家に帰り着いた徐春洋
夜も遅く電気を消して眠ろうとすると、しばらくして突然部屋中の電気が点いたのだ。
突然部屋の電気がつき、驚きながら窓の外を見るとどうやら町中の家の電気が点いているようだった。
何かがおかしいと思った徐春洋がシステムに繋がったパソコンを立ち上げるとそこには誰かからのSOSのメッセージが届いていた。
<助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡 助けてくれ、警察に連絡>
『無限の月』19ページ
町中のシステムをハッキングし、SOSのメッセージを送ってくる謎の人物
物語の第1章はここで幕を閉じます。
日本の経営者の浮気
舞台は変わって日本
この日本ではある夫婦の間で問題が起きていた。
嫁の聡美は普通のOLをしており、3ヶ月以上夫とは別居をしていた。
夫はタイダルというIT企業の経営者で、BMIといわれる頭にマイクロチップを埋め込み機械を操作する技術を利用したアプリを開発した人物である
そんな2人は大学生の頃に出会い、結婚
20年以上一緒に連れ添ってきた夫が突然の浮気
それにより、2人は別居することになったのだ。
人が変わってしまった夫
別居してからしばらく経った頃、夫から聡美に連絡があった。
『あなたに謝りたいことがあります。あなたを傷つけてしまいました。もう一度、チャンスをください。』
この連絡を受け、会うことになった2人
しかし、夫はその場にあろうことか浮気相手であろう女を連れてきたのだ。
必死に弁明する夫であるが浮気相手を連れてくるなんて理解ができない。
怒りのまま部屋を出た聡美は同僚を飲みに誘い、散々飲んだ挙句酔った勢いで階段を踏み外し大怪我をしてしまった。
怪我から復帰し、家に戻った聡美のもとに再び夫が現れる。
最後のチャンスとして会った2人だったが、なにやら夫の様子がおかしい。
話し方や立ち振る舞い、20年以上連れ添ったはずの夫は見た目は一緒でも全くの別人のようになっていた。
一体夫の身になにがあったのかーー
中国のハッキング事件と日本の経営者の浮気が繋がる
物語は経営者の夫の様子が変わってしまった経緯について振り返る形で進んでいきます。
一見繋がりなんかあるはずのない二つの事件が思いもよらぬ形で繋がります。
夫の会社は利用している、IBMと言われる人の脳に埋め込んだマイクロチップを利用する技術
ちょっとしたきっかけから、この技術が夫の脳の記憶を完全に変えてしまったのです。
そしてこの変わってしまった記憶は中国に住むある女性の記憶だったのです。
このような形でSF要素が盛り込まれた形で、物語が進んでいきます。
今まで読んだことのない不思議な物語で、ラストには予想のつかない結末が待っています!
興味がある方はぜひ読んでみてください!
『無限の月』ネタバレ感想
ここからは実際に『無限の月』を読んだ感想をネタバレを織り交ぜながら紹介していきます
奇妙な物語のようなラスト
ラストは本当に衝撃です!
自分の今までの記憶は他人のものになってしまい、全く別人のようになってしまったIT企業の経営者
この経営者は自分の記憶の正体を知るために中国に飛びます。
そして中国で起きた事件は命を脅かすほどの衝撃的な事件なのです。
そしてそのことを知った聡美は、夫のことを受け入れ、自らもその記憶を取り込むのです
その後の締めは強烈でした・・・
どういうこと?と思うかもしれませんが、本当にこんなラストなんです!
今まで読んだことのない物語
とにかくこの作品は予測不可能な物語です。
まず中国のとある村での話から始まり、突然に日本のある経営者の浮気の話になります。
最初の中国の話はどこかで繋がるのかなと思っていても、なかなか二つが繋がらないんです。
ただ、読み進めていくうちにどんどんと、もしかして?と思えるような場面が出てきて、二つの物語が繋がった時にはそう来るのかー!と声を上げたくなりました!
ミステリーでのなければサスペンスでもない作品
強いて言うならSF小説かな?という作品です。
新しい刺激が欲しい人にはぴったりの作品です。
正直好みは分かれる作品かも
正直この作品は好みが分かれると思います。
目新しさに面白さを感じる人もいれば、結局意味がわからず挫折してしまうような人もいるそうな作品だと思います。
SF要素のもあるので、そんなことありえないやろという感覚を持ってしますとなかなか抜け出せないかもしれません。
ただ、その分好きな人はどんどんのめり込んでしまうような魅力もあるのは確かです。
僕はどんどんのめり込んでいった方でした!
興味があればぜひ読んでみてください!
本記事のまとめ
今回は須藤古都離さんの『無限の月』あらすじとネタバレ感想を紹介しました!
今まで読んだことのない物語で、ラストはなかなかに強烈なインパクトでした。
今まで味わったことのない感覚に興味がある方実際に読んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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