みなさんこんにちは!
年間100冊本を読むだいちです!
今回は辻村深月さんの『この夏の星を見る』のあらすじとネタバレ感想を紹介します!
コロナ禍で多くのことを失った学生たちの青春小説です
一度しかない学生生活の中で、修学旅行や部活の大会など様々な青春を奪われた学生たち
そんな我慢の日常の中で何かを残すために、一つの星空の元で大きなプロジェクトが始まります。
コロナ禍に学生時代を過ごした人はもちろんのこと、コロナで生活に影響を受けた人にぜひ読んで欲しい一冊です。
どんな人にも共感できる部分がある今こそ読んでほしい作品です。
それではあらすじから紹介していきます!
今回紹介する作品
登場人物
本作はコロナ禍で様々な活動を奪われ、そのことに悲しんだり喜んだりいろんな感情を持つ中高生たちが主人公の物語です。
そして、この作品は大きく3つの学校が登場します。
- 茨城 砂浦第三高校
- 渋谷 ひばり森中学校
- 長崎県五島列島 泉水高校
まず最初にそれぞれの学校で登場する人物をまとめていきます!
茨城 砂浦第三高校
物語のメインになる『スターキャッチコンテスト』の発案クラブ
- 溪本亜紗(たにもと あさ)
-
天文部の2年生。凛久とはいい感じの雰囲気に・・?
- 飯塚凛久(いいづか りく)
-
亜紗の同級生で天文部の2年生
- 山崎晴菜(やまざき はるな)
-
天文部の頼れる部長
- 綿引邦弘(わたびき くにひろ)
-
天文部顧問
この顧問の先生が天文業界の超有名人!
渋谷 ひばり森中学校
物語唯一の中学校
- 安藤真宙(あんどう まひろ)
-
入学したての1年生。まさかの学年に1人しかいない男子。
- 中井天音(なかい あまね)
-
真宙のクラスメイトで理科部。おとなしい見た目だが実は結構気が強いタイプ
- 森村尚哉(もりむら なおや)
-
理科部の若い顧問
- 柳数生(やなぎ かずみ)
-
真宙のサッカーチーム時代の五歳年上の友人。都立御崎台高校に通うがひょんなことがきっかけで真宙と再会
長崎県五島列島 泉水高校
高校での部活ではなく、天文台で仲良くなった友人同士
- 佐々野円華(ささの まどか)
-
三年生で五島列島にある旅館の娘。吹奏楽部。
- 武藤柊(むとう しゅう)
-
野球部。出身は福岡で島でホームステイをしている
- 小山友悟(こやま ゆうご)
-
弓道部で寮暮らし。武藤とは仲が良い
- 輿凌士(こし りょうじ)
-
武藤と小山の友人で、コロナで休校期間中は実家の東京に戻っている。
- 才津勇作(さいつ ゆうさく)
-
天文台の館長。綿引先生の友人
コロナ禍でのそれぞれの思い
『この夏の星を見る』あらすじ
まずは『この夏の星を見る』の内容について紹介していきます
あらすじ
コロナ禍による休校や緊急事態宣言、これまで誰も経験したことのない事態の中で大人たち以上に複雑な思いを抱える中高生たち。しかしコロナ禍ならではの出会いもあった。
リモート会議を駆使して、全国で繋がっていく天文部の生徒たち。
この運命の出会いが日本全国を巻き込む大きなプロジェクトになっていくーーー
3つの学校が舞台になり、それぞれがコロナ禍特有のWebでの繋がりから一つのプロジェクトの打ち込むこの物語。
ただ、最初はそれぞれの学校の登場人物はコロナ禍に対して違う感情をもっていました。
・天文部に所属する砂浦第三高校の亜紗たちは、コロナの影響で毎年行われていた天体観測の合宿が中止。
そのため、今年卒業してしまう部長の晴菜を気持ちよく送り出すことができないと嘆いていました。
・反対にひばり森中学校の真宙は中学校に入学早々コロナ休校
真宙は学年の中で男子が1人だったことから、むしろずっと休みになってくれと思っていました。
・そして、五島列島 泉水高校の円華たちはコロナで高校最後の大会が中止
吹奏楽の大会や、甲子園の夢がそのまま終わってしまうことを嘆いていました。
そんなそれぞれの思いを抱えた中、3つの学校がちょっとしたきっかけで繋がることになります。
コロナ禍特有の出会い
3校が繋がることになるきっかけは、『スターキャッチコンテスト』という大会
この大会は砂浦第三高校が主催で毎年行われていたもので、砂浦第三高校に複数の高校が集まり、その場で天体望遠鏡を組み立て、星を観測
制限時間内により多くの星を観測できた学校の勝利となる大会です。
この大会のことを知ったひばり森中学校の真宙たちは、砂浦第三高校の天文部にメールで連絡。
この連絡を受けた亜紗たちは、真宙たちにウェブでスターキャッチコンテストをしてみないかと提案します。
そして無事開催が決まったことで、せっかくだからともう1校別の学校を誘おうとなって繋がったのが、五島列島の泉水高校だったのです。
このようにウェブで遠くに住む人と繋がれる環境になったのはコロナの影響が大きいですよね!
コロナ禍の夏の青春小説
このように『この夏の星を見る』は、コロナ禍で今までの生活がままならなくなり、一度きりの青春を奪われてしまった学生たちが何かを残そうとする夏の青春小説になっています。
コロナ禍で今まで通りの青春を送れなかった学生たちや、コロナで生活に何かしらの影響があり思い残しがある方にぜひ読んでほしい作品です。
一生大事にしたい作品になりました!
『この夏の星を見る』ネタバレ感想
ここからが実際に読んだ感想を紹介していきます。
500ページ近くあるとは思えないほど読みやすい
読んでいる最中にも思ったのですが、とにかく文章が読みやすいです
辻村深月さんの代表作『かがみの孤城』にも言えることなんですが、ページ数は多いのにそれを感じさせないほどの読みやすさが辻村深月さんの作品の特徴だと思います。
シンプルで分かりやすい文章と物語の展開で、どんどん続きが気になって気づいたら3日ほどで読み終わってしまいました。
それに今作は世界中の人々が経験した”コロナ”という感染症がテーマになっていて、どんな人での共感できるのも読みやすさのポイントになっていると思います。
コロナの影響で後悔がある人に読んでほしい
この作品はやはりコロナの影響で一度しかない青春を失った学生にはぜひ読んでほしいとおもっています。
いろんなことを我慢させられる環境の中で、何とか自分たちでできることはないかと動いた結果、県境を超えた繋がりが生まれ、大きな感動が生まれました。
そんなコロナで失ったものばかりではなく、コロナ禍だったからこそ得られたものに目をむける青春というのがこの作品も大きな良さだと思いました。
ただ、学生だけではなく、コロナで生き方に大きな影響を受け、やり残したことや後悔がある人にもきっとこの作品を通して何か感じるものがあるんじゃないかと思います
僕は学生時代にコロナではなかったですが、たくさん共感できるものがありました!
一生大事にしたいと思える作品
この作品は僕の中で一生大事にしたいと思える作品になりました。
この時代を生きていなければ感じることのなかったであろう様々な感情が取り上げられ、多くの人に共感してもらえるだろう作品だろ思います。
興味があればぜひ読んでみてください!
記事のまとめ
今回は辻村深月さんの『この夏の星を見る』のあらすじを感想を紹介しました!
コロナ禍で様々なものを失った学生たちの物語。
実際にここ数年のコロナ禍の影響で、日本全国の学生たちは一度しかない青春を失ったかと思います。
部活や修学旅行、日々の学習生活も我慢しながら過ごす日々が多かったはずです。
しかし多くのものを失ったコロナ禍の中でも、コロナ禍だからこそ出会えた繋がりや得られた経験というものもあると思います。
そんな哀しみや喜びの思い出を存分に味わえる青春小説です。
コロナ禍が落ち着いてきた今だからこそ、学生はもちろん、多くの人に読んで欲しいと思う作品です。
興味があればぜひ読んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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