樺沢紫苑「The Three Happiness 精神科医が見つけた3つの幸福」の要約と感想

2021年5月30日2022年12月4日

みなさんこんにちは！
今回は樺沢紫苑「The Three Happiness 精神科医が見つけた3つの幸福」の要約と感想を紹介します！

この本は幸福論ではなく、「幸せになる方法」を具体的に示した、To Do本のような内容です。
個人的に今後の生き方や考え方の参考になることが多くあったので、要約をしつつ感想を書いていこうと思います。

精神科医が見つけた3つの幸福 [ 樺沢紫苑 ]

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要約

幸福とは何か

世の中にいる人はみんなきっと幸せになりたいと思っていると思います。
では、幸せとは一体なんでしょうか。

人は幸せを感じるとき、脳から様々な幸福に関わるホルモンが分泌されています。
その中でも3大幸福物質と呼ばれているのが、セロトニン、オキシトシン、ドーパミンです。

そして自分たちが普段感じる幸福は、この3つの幸福物質によるセロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福に分類できます。

それぞれの幸福を一言で言うと

セロトニン的幸福　　健康の幸福
オキシトシン的幸福　　つながりと愛の幸福
ドーパミン的幸福　　　お金、達成、成功、名誉、地位などの幸福

しかもこの幸福には積み上げていく順番があります。
セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福の順番です。

まず、自分自身の健康をしっかりと意識します。どれだけ成功を求めて努力をしようとしても体がボロボロだと最後まで体が持ちません。

次に家族や周りとのつながりを大事にします。どんなに億万長者になろうと周りに家族も友達もいない状態を本当も幸せとは言えないですよね。（もちろん人それぞれですが）

そして、このセロトニン的幸福とオキシトシン的幸福の基盤をしっかりと築いた状態で成功を求めて、ドーパミン的幸福を手に入れた状態が本当の幸せといえます。

知っておくべき幸福の性質

幸福とは何なのかがわかったところで、じゃあどうすれば幸せになれるのか気になるとは思いますが、その前に幸福になるためにはまず幸福の性質を知っておかなければいけません。
幸福には4つの性質があります。

幸せはここにあるー「BE」の幸福、「DO」の幸福
幸せは「結果」ではない。「過程」である
幸せは劣化するー「減る幸福」と「減らない幸福」
「幸福の掛け算」ですべての幸福が手に入る

一つ一つ説明していきます。

1:幸せはここにあるー「BE」の幸福、「DO」の幸福

最初に説明した3つの幸福はそれぞれ
「BE」の幸福：セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福
「DO」の幸福：ドーパミン的幸福　　　　　　　　　　　　　に分類されます。

「BE」の幸福はそこに「ある」幸福です。
朝起きて、「いい天気気持ちいい」「爽やか」、と感じる。これはセロトニン的幸福がそこに「ある」状態になります。
朝起きて、そこに自分のパートナーが朝ごはんを作ってくれている。朝からかわいい子供の笑顔を見れる。これはオキシトシン的幸福がそこに「ある」状態になります。

この様に「BE」の幸福はそこに「ある」幸福なのです。
ただ、この様な幸福はあることが当たり前になってしまい、気づかないことが多いです。
どんな人でも「BE」の幸福はすでに何かしら手に入れているはずなのです。

大事なのは「BE」の幸福に気づくこと。そしてそれを維持して、失わない様に努力することです。

一方で、ドーパミン的幸福は「DO」の幸福です。
何か行動をして、その結果得られる幸福です。

なので「DO」の幸福を得るためには、なりたいもの、やりたいことをしっかりと行動に移すことが大事です。行動をしないと「DO」の幸福は何も得られません。

幸せは「結果」ではない。「過程」である

ほとんどの人は幸せを「結果」として考えているかもしれません。
頑張って努力して、その先に幸せがあると考えているかもしれません。

しかし脳科学的には「幸せは結果である」というのは間違いです。

幸せは「未来」にはない。今、「現在」に幸福があるのです。
何かを成し遂げるために階段を昇っているとするならば、階段の先に幸福があるのではなく、階段を一段昇る毎に幸福は存在するのです。

この考え方すごく良くないですか?
日々努力をしている人の励みになる事実だと思っています。

幸せは劣化するー「減る幸福」と「減らない幸福」

よく言われる年収が増えるほど幸福度は増えるのかという疑問に対して、年収が800万を超えてくるとそれ以上幸福度は大きく増えないと言われています。

また、宝くじの高額当選の様な幸福感は2ヶ月ほどしか持続しないと言われています。
どれだけ大金が手に入っても、またもっと欲しいと欲が出てきてしまうのです。

この様にドーパミン的幸福は減っていくのです。
そして、ドーパミン的幸福は長くは続かないのです。

しかし、セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福は減りにくいのです。
朝起きて爽やかだという気持ちは、次の日もまた次の日も晴れた日は爽やかだと感じますよね
朝起きて、パートナーが朝ごはんを作ってくれてありがとうという気持ちは次の日もまた次も日もありがとうと思いますよね

「幸福の掛け算」ですべての幸福が手に入る

ドーパミン的幸福は減りやすい。
だからセロトニン的幸福、オキシトシン的幸福を求めて行こうとはならないでください。

例えば、ドーパミン的幸福が出ているときにオキシトシン的幸福が出ていたらどうでしょう。
大金が手に入ったときに、達成感だけではなく、感謝の気持ちも持つことができればドーパミン的幸福とオキシトシン的幸福の掛け算で幸せが減りにくくなるのです。

この様に3つの幸福をうまく掛け合わせることによっていつまでも続く幸福を手に入れることができるのです。

幸福になるためにはどうしたらいいのか

ここまで「幸福とは」「幸福の性質」を説明しました。
じゃあ幸福になるためにはどうしたらいいのか。本書にはそれぞれの幸福を手に入れるための方法がたくさん書いていますが、その中から実際に自分が意識していることを紹介していきます。

セロトニン的幸福を手に入れるために

1:睡眠、運動
・1日6時間以上の睡眠。睡眠の質を上げるために寝る前のスマホの利用を避ける。
・週2〜3回ウォーキングや筋トレ
・1時間以上座りっぱなしは健康に良くないため、1時間おきに立ち上がる（デスクワーク中心の人は要注意）

2:「今」に焦点の向ける
・今、楽しいということに注目する。1日中で今、楽しいを積み重ねていけばその日は1日楽しかった日になります。それを何日も続けていけば、1週間や1ヶ月ずっと楽しかった日々になります！
・過去を振り返らず、未来のことを考えすぎない

3:３行ポジティブ日記
・1日の終わりに今日楽しかったこと、良かったことを3つだけでいいので書き出してみる。
実際このことをやらかやらないかで、人の幸福度に差が出るという研究結果が出ています。しかもこれは寝る前の15分前以内に書くことが大事で、書いたあとスマホなどを見てはいけません。
寝る前に幸せだったことを思い出して、その幸せな気持ちのまま眠りにつくのが大事なのです。

オキシトシン的幸福を手に入れるために

1:つながりを持つ
人同士のつながり（友人や恋人）ももちろんですが、ペットとの交流や、植物を育てるとかでもオキシトシン的幸福は手に入ります。
このコロナ渦の中でなかなか人と会えない状況が続いていますが、植物を育てるなどでオキシトシン的幸福を感じるのは良い幸せになるかもしれません。

2:感謝する
人に親切にすることで、感謝されるとオキシトシン的幸福を感じることができますが、感謝をすることによってもオキシトシン的幸福を感じることができます。
また、その感謝を言葉にするとより幸福感が増すといわれています。
1日に3回「ありがとう」と言う。もしくは3行ポジティブ日記の様に文字に起こすだけでも効果はありますので、是非試してみてください。

3:他人を信頼する
アドラー心理学の『嫌われる勇気』にも書いていますが、「無条件に人を信頼」することが大事です。
相手にどう思われているかは自分自身ではコントロールすることできないので、まずは自分から他人を信頼するところから始めてみましょう。

ドーパミン的幸福を手に入れるために

まず、理解しておきたいことは、ドーパミンには良い面もあれば、悪い面もあるということです。
それはドーパミンには依存性があると言うことです。

大金を手に入れたり、大きな地位を得てもその幸せは長くは続かず、もっともっとと大金や地位が欲しくなってしまうものなのです。

ですので、ドーパミンには依存性があると言うことを理解した上で、うまくコントロールすることが幸せになるために重要なことなのです。
その上でドーパミン的幸福を手に入れるための方法を紹介します。

1:制限する
飲酒量やゲームの時間、スマホの時間を制限します。
これらは簡単にドーパミンを分泌することができるものたちです。これらはやり過ぎると依存症になってしまうため、依存してしまう前にしっかりと自分自身で制限することが重要です。
お酒は1日1缶まで、ゲームは1日2時間まで、スマホには利用時間を制限するアプリもあるのでそれを利用するのも良いかもしれません。

2:毎日の自己成長を味わう
何かの成し遂げるために高い目標を持つことは大事なことですが、その中で日々の自分の成長に目を向けることができたら、その人は毎日小さな幸せを感じていることになります。
人は常に成長を続けている生き物なので、未来の目標だけを見るのではなく、「今」の自分の成長に目を向けてみると小さな幸せが手に入ります。