みなさんこんにちは!
年間100冊本を読む読書家のだいちです!
今回は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』のあらすじと感想を紹介します!
『52ヘルツのクジラたち』読んでみたいけど、買う前に内容を知りたいな・・
こういう方に向けた内容になっています。
『52ヘルツのクジラたち』は2021年本屋大賞を受賞し、2023年に文庫化、2024年には映画化が決定している、町田そのこさんの代表作です。
孤独に耐え続けた1人の女性が、言葉を失いながら孤独に苦しむ少年に出会う物語です。
とにかくめっちゃ泣きます・・・
今回紹介する作品
『52ヘルツのクジラたち』あらすじ
まずはあらすじから紹介していきます
あらすじ
52ヘルツのクジラとは、他のクジラが聞き取れない高い周波数で鳴く世界で一匹だけのクジラ。何も届かない、何も届けられない。そのためこの世で一番孤独だと言われている。
自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれる少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれる――。
52ヘルツのクジラ
物語の内容を紹介する前に、タイトルになっている『52ヘルツのくじら』の意味について
作中で貴湖の口から説明されますが、一般的にクジラはある特定の周波数の声を出すことによって仲間とコミュニケーションをとっていると言われています。
その周波数は10〜39ヘルツ程度。
しかし、世界に一頭だけ52ヘルツの周波数で鳴くクジラがいるんです。
このクジラの声は他のクジラに比べて高すぎて、仲間とのコミュニケーションができてないされています。
そのため52ヘルツのクジラは「世界でもっとも孤独なクジラ」と言われています
田舎に引っ越してきた1人の女性
物語は田舎に引っ越してきた1人の女性から始まります。
女性の名前は貴湖
引っ越してきた家は元々貴湖の祖母が持っていたもので、祖母が亡くなった後母から譲り受けたものです
貴湖には誰にも話していない辛い過去があり、腹には包丁による刺し傷がありました。
そんな貴湖は辛い過去をリセットするために、家族とも縁を切り、仕事もせずに田舎に引っ越してきたんです。
しかし、田舎の町では貴湖に対するあらぬ噂が後をたちません。
そんな貴湖はある日1人の少年と出会います。
アザだらけの少年との出会い
ある日、貴湖が雨宿りをしているときに見知らぬ少年と出会います。
少年は痩せ細っていて、髪は伸ばしっぱなし、女の子のような見た目をしていました。
少年のことが気になった貴湖は声をかけましたが、その日はすぐにいなくなってしまいます
後日その少年と再会した貴湖は、少年を家に招き入れました。
最初に少年に会った時から嫌な予感はしていましたが、その予感は的中します。
少年の体は肋骨が浮くほど痩せていて、体はアザだらけになっていたのです
さらに理由はわかりませんが、言葉を話すことができませんでした。
筆談で少年から話を聞くことにした貴湖
少年は自らの名前を「ムシ」と名乗ったのです。
貴湖は前述のクジラの話題から少年のことを「52」と呼ぶことにしました。
少年の母親
52の母親は田舎の食堂で働いており、人前では愛想のいい可愛らしい女性でした。
しかし、52の話をした時その母親は態度を変え、52のことをひたすらに罵りました。
「あいつを産んだから人生が狂った」
「あんなの産まなければよかった」
とにかく耳を塞ぎたくなるような言葉で、52のことをいらないと言ったのです。
母親の言葉を聞いた貴湖は52のことを助けようを決心し、行動を開始します。
貴湖の辛い過去
52のことを助けようとした貴湖ですが、貴湖にも辛い過去がありました。
貴湖は子供の頃両親から虐待を受けていました。
貴湖の父親は義理の父親で、貴湖は母親の連れ子という状態でした。
そんな中両親は貴湖ではなく、2人の間に生まれた息子のことを可愛がり、貴湖に対しては一切愛情を注ごうとしていませんでした。
特に、貴湖が高校を卒業する頃義理の父親は病にかかり、貴湖は就職することなく父親の介護生活を余儀なくされたのです。
そんな現実からなんとか抜け出した貴湖は1人田舎に引っ越してきました。
2人の過去と現実
小さい頃から孤独に耐えてきた貴湖
そんな貴湖には誰にも届かないと思っていた52ヘルツの声を聞いてくれる人がいました。
だから今度は自分がその声を聞いて助ける番だと誓います
1人になるために引っ越していた貴湖は、少年を孤独から救うために幸せになる方法を考えていくのです。
『52ヘルツのクジラたち』ネタバレ感想
タイトルの意味
本作のタイトルになっている「52ヘルツのクジラ」は「世界でもっとも孤独なクジラ」と言われています。
そんな孤独の声を小さい頃から叫び、助けられた貴湖
そして、貴湖の前に現れた同じ孤独の声を叫ぶ少年「52」
誰かに認められたい。愛されたい
そう願っても届かない時に味わう、誰にも届かない孤独の悲しみ
同じ思いを持っている2人の姿が『52ヘルツのクジラたち』として描かれ、作品のタイトルになっているんです。
どんなに辛い現実でもきっと誰かが助けてくれる
作中での貴湖の過去や、52の現実は本当に辛いものばかりです。
特に、後半から明かされていく貴湖の過去は不幸の連続といった感じなっています。
家族から愛されず、やっと得られたと思った幸せは命の恩人の死によってめちゃくちゃになります。
しかし、貴湖には大事に思ってくれる友達がいるんです。
1人でいなくなった貴湖を訪ねる友達が貴湖と52を救う救世主になっていきます。
どんなに辛い現実の中でも助けてくれる人はきっといるはずだ、と教えてくれる作品です。
とにかく泣いた・・
この作品は2回読みましたが、2回とも泣きました・・
貴湖と52の辛い現実を知ったことで、2人にはとにかく幸せになってほしいという願いが止まらなくなります、
そんな中で、貴湖が52の声を聞き、2人がお互いにかけがえのない存在になっていくのが本当に感動します。
特に、言葉が話せなくなった52が貴湖とコミュニケーションが取れるようになっていく姿は一番号泣しました。
まとめ
今回は町田そのこさんの『52ヘルツのクジラたち』のあらすじと感想を紹介しました。
本作は2021年の本屋大賞に選ばれ、2024年には映画化が決定している作品です。
どんな辛い現実の中でも、その現実から救い出してくれる人はきっといるという救いが込められた作品だと思います。
興味がある方はぜひ読んでみてください!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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